• 2025.10.03
  • 興奮は天高く~ブリストル国際バルーン・フェスタ
ブリストル国際バルーン・フェスタは毎年8月、ブリストルの郊外の丘にあるアシュトン・コート・エステートにて開催されるお祭りで、ヨーロッパ最大級の熱気球イベントです。
毎年、世界各地から、さまざまな形や色、大きさの熱気球が100機以上、この地に集結します。
さらに会場自体がアミューズメント・パークともいうべき空間となり、バンドが屋外でパフォーマンスをするステージも設営されます。
これだけでも魅力あるイベントなのですが、会場となるブリストルはロンドンから車で約2時間、非常に活気のある面白い街ですので、訪れるだけでも価値があります。


熱気球の打ち上げは早朝という情報を目にしていたので(ガールフレンドと私はその貴重な瞬間をとにかく見逃したくなかったので)、私たちは午前7時頃に現地に到着するため、かなり早朝に出発するのが賢明だと判断しました。
まず、ガールフレンドが5時頃に迎えに来てくれました。周囲の家々はみな寝静まっていて、外はまだ真っ暗でしかも小雨が降っていました。
当日の食料のほか、万が一ブリストルで車中泊することになった場合に備えて、枕と厚めの大きな毛布も持っていきました。
一緒に行く予定の近くに住む友人2人を拾って、ナビの目的地をブリストルに設定して出発です。
目的地に近づくにつれ渋滞は激しくなる一方でしたが、なんとか時間通りにフェスタ会場に到着することができました。
車を停めて、大掛かりな特設駐車場と、空きスペースを必死に探す膨大な数の車を目の当たりにした瞬間、この光景だけでフェスタがどれほど大規模で、有名で、すばらしいイベントであるかがわかりました。
フェスタは3日間にわたって完全無料で開催され、駐車場のみが有料となっています。非営利団体によって開催されているイベントですが、運営費を賄うためにこうした取り組みが行われています。
駐車したあと、私たちは会場の平坦なエリアに向かって坂を下り始めました。途中、熱気球がちらほら浮かんでいるのが見えました。
ところが、いざ到着してみると、人があふれかえっていてとてもがっかりしました。コンサートが行われているステージ周辺には人だかりができ、屋台にも、熱気球がまだ横たわったままの芝生からほんの数メートルしか離れていないゲームコーナーにも、とにかく人、人、人。


おそらく、これまでの人生でこれほど多くの人が一か所に集まっているのを見たのは初めてでした。しかも、イベントのハイライトである熱気球の要素はどこにも無さそうにさえ見えました。
熱気球は芝生に横たわり、しぼんだまま、どこか悲しげ。気にかける人さえいません。膨らみ始め、少しずつ地上から浮き上がるにつれ、人々は気球から離れて空を見上げ、壮大なショーを楽しみ始めます。そしてついに、何百機もの熱気球がステージ中央に直立し、飛び立つ態勢に入ります。スピーカーからは音楽が爆音で流れ、それに合わせて何千もの人が踊りながらその「瞬間」を待ちます。
そして、色とりどりの熱気球が混沌と混じり合い織りなす圧巻のショーが始まると、私たちは言葉を失い、ただただ空を見上げました。まさに恍惚の境地で、その瞬間その場にいることに感動し、二度とないかもしれない奇跡のような光景を心から楽しんでいました。
さて、フェスタはまだ続きます。
新たなハイライトの一つとして、日没とともに熱気球がまさに「踊り」始めます。
音楽のリズムに合わせてライトアップされた熱気球が夜空に飛び立ち、興奮冷めやらぬ観衆は歌ったり踊ったりしながら空を見上げます。
まるで映画のワンシーンのような、オリジナルの音楽動画の中にいるかのような、そんな幻想的な光景が広がっていました。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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