これまで数えきれないほどの音楽ジャンルがこの国から生まれ、進化し、時代と共に世界中に広まっていきました。
また、数えきれないほどの英国のバンドが音楽史に名を刻み、世界的な成功を収めてきました。そして、英国の人々にも大きな影響を与えました。
世代を超えて多くの人々が、音楽を通じて英語や英国文化に触れています。例えば歌を1曲ずつ練習するなど、音楽をきっかけに英語を勉強し始める人も少なくありません。ラップ音楽に出て来るスラングが日常会話に広く浸透しているのも決して偶然ではないのです。

ライブ・バー
そんな英国で人気のあるジャンルをご紹介しましょう。
1.ポップス
英国音楽を代表するジャンルです。1950年代に誕生して以来、オーディエンスは世界に広がり続け、アーティストは国内外で圧倒的な成功を収めてきました。
ビートルズに始まりオアシスやスパイスガールまで、世界の音楽史に名を刻む大物アーティストたちが、英国のポップシーンの一翼を担っています。ラジオをつければ、いつでもアデルやエド・シーラン、ハリー・スタイルズの楽曲が流れてくるほどで、彼らの知名度の高さや影響力の大きさを物語っています。
こうした実力派アーティストたちが、世界の音楽チャートを軽々と席巻してきたのです!
2.メタル
ロック・グループのブラック・サバスが、このジャンルの真の始祖とされており、バーミンガムで結成されると瞬く間に世界的な成功を手にしました。
私の祖国イタリアをはじめ世界中で愛されているジャンルですが、そのルーツはここ英国にあります。
3.インディー・ロック
1980年代に誕生したジャンルですが、近年になってようやく海外でも本格的に注目を集め始めています。
その人気を海外にまで広めたのは、英国のバンドの力だけではありません。彼らに影響を受けて同じジャンルに挑戦した海外のバンドの貢献も大きく、その多くが成功を収め聴衆の支持を得ています。
4.パンク
「パンクは死んでいない!(Punk's not dead!)」なんて有名なフレーズもありますが…。この英国を代表する音楽のジャンルは、国内はもちろん、世界中に多くの支持者を得ており、模倣する人も少なくありません。
「際立った」反骨精神の象徴とも言われ、高校生くらいの若いミュージシャンが最もよく演奏する音楽です。大人になってもパンクを追求し続ける人も多くいます。
「パンク」は音楽だけに留まりません。それ自体が独自のスタイルをもつサブカルチャーでもあります。イタリアのファンにも大きな影響を与えています。一目でパンクとわかる装いで、群衆の中でも一際目立つ存在です。
5.ドラムンベース
まだややニッチなジャンルではありますが、すでに一定の支持層を獲得しています。
英国ではダンス・ミュージックの伝統が根強く、毎年、国内各地で開催されるドラムンベースのレイブに多くのファンが集まるのも不思議ではありません。
重低音とミニマルな旋律は、英国内外の人々にも浸透しているようです。音楽の振動を踊る人たちの身体の奥深くまで響かせること。ドラムンベースの作曲家たちはこれを追求して楽曲を作っています。
ロンドンで滞在するなら、ライブ音楽が欠かせないのは誰もが知るところ。アイント・ナッシング・バット・ザ・ブルース・バー(Ain't Nothin But The Blues Bar)は、間違いなく、市内でライブが楽しめる有名スポットの一つです。
ソーホー地区に位置し、ブルース音楽の聖地としてもよく知られているため、ロンドンを紹介するほぼどのガイドブックにも掲載されているほどです。
このバーの魅力は、出演するミュージシャンの質の高さに加えて、ロンドンの他のライブハウス等とは一線を画す、唯一無二の個性にあります。
同じソーホーにある、典型的な流行スポットとは全く異なる空間で、雑然とし混み合ってはいますが、並外れた魅力があります。
ライブ音楽、特にブルースが好きな方には、ぜひ一度、夜を彩る音色を堪能していただきたいところです。
エイミー・ワインハウスなど、多くの著名なアーティストがこのバーで演奏しています。毎晩、世界中から集まるバンドやアーティストによるライブや、才能豊かなミュージシャンたちによるジャムセッションが楽しめる、とてもすてきなバーです。