• 2025.11.18
  • ボランティア体験
ボランティアは、個人が成長できる貴重な機会であり、特に若い世代をはじめ多くの人々がその活動先にロンドンを選びます。
まさに「自分を試す」といったところでしょう。
ロンドンでのボランティア活動では、新たな街での生活やさまざまな文化を経験しながら自身のスキルを試すことができます。参加するプロジェクトはどれも持続可能な開発目標(SDG)の達成に貢献しています。
市内でボランティアを募集している組織はオンラインですぐに見つかりますし、多忙な市民にとっても良い情報源となっています。
ボランティアは、地域社会に奉仕しながら現地でさまざまな経験ができる、すばらしい活動です。
ロンドンではこうした活動は特に人気があり、人生経験の一つとして、また、専門的な体験を積める機会として捉えられています。
実際、英語圏では少なくとも1度はボランティア経験がある人を採用する方針を取り入れている企業もあるほどです。
他の職種にも役立つトレーニングやスキル養成の機会を提供してくれるところも少なくありません。
といっても、すぐに有給の仕事につながる保証はありません。
以下に私の経験談をご紹介します。

ジャンの記録:ある日の帰宅時、手は埃だらけで膝が痛かった。本や本棚にかがみこみ、本を並べたり並べ替えたりしながら、子どもたちが手に取りやすいように、もっと魅力ある配置にしようと工夫していた。近所の学校図書館で初めてボランティアをした最初の数日間、こんな感じで午前を終えた。
事の始まりは地元の学校からのメールで、司書が退職したので図書館ボランティアを募集するという内容でした。
私は迷うことなくすぐに返信し、喜んで参加したいです、対応可能ですと伝えました。
地元図書館の利用者4人とともに、私も受け入れてもらえることになりました。
英国でボランティアに参加すれば、英語力が向上し、新しい人との出会いがあり、豊かな経験ができるため、地域社会になじむのに非常に役立ちます。
例えば今回の活動では、特定の曜日の指定や特別なスキルは求められませんでした。とにかく混乱状態になっている図書館と、あれほどの膨大な量の本を整理すればよいので、長時間働ける人ほど望ましく、誰でも歓迎されるという状況でした。
図書館は校内の新しい棟にあり、受付エリアのすぐ奥に広がるオープンスペースで、後方の各教室へと続いていました。まだ箱に入ったままの本を取り出して空いている棚に並べ、ジャンルごとに分類された残りの本を並べ替える作業が必要でした。
整理したり仕分けしたり、たくさんの本を手にしながら、ここで天職を見つけたかも、なんて冗談まじりに話していましたが、作業していてとても心が落ち着いていくことに気づきました。大好きなジムでのトレーニングよりも、むしろその効果は大きかったでしょう。
でも、それだけではありません。そのボランティア以降、本に囲まれる空間にいると、とてつもない大きな喜びに包まれるようになったのです。
あの落ち着いた雰囲気に圧倒されそうになりますし、先生たちの怒鳴り声も、図書館にやって来る子どもたちのにぎやかな話し声も耳に入りません。
この学校では、子どもたちはかなり自立していて、校内を自由に歩きまわっているようでした。
保護者の中にも、ティーチングアシスタント(TA)をはじめ、ボランティア活動に応募し始める有志が出てきました。
週に1~2度、子どもたちの読書の手助けをするボランティアや、イベントの企画をするボランティア、九九の表を覚えるサポートや、料理や美術などの特別授業を手伝うボランティアもいました。
つまり、英国の学校では保護者がこうして学校活動に関わるのは普通のことであり、自分の子どもの通う学校で保護者がボランティア活動するのも当然とされています。
私には子どもはいませんが、学校でのボランティア活動を楽しんでいます。やりがいを覚え、地域社会の一員としてのつながりを実感できるのです。
さらに、これは海外から移住してきた者として平穏な生活を送る上で、また、地域のコミュニティの一員としての役割を果たす上でも、とても重要な側面です。
学校生活に積極的に関わることで、英国の学校制度をより深く理解できるようになりますし、英国人が子どもたちとどう接しているのかを直接見ることができます。
さらに、自分が慣れ親しんだイタリアの教育制度との大きな違いも見えてきました。
英国の学校でボランティア活動をすると、学校の一員として積極的に関わるっていると感じられ、自分の貢献が学校にとって重要な意味を持ち、学校は自分の存在を喜んでくれていると感じるはずです。
一緒にボランティアに参加している友人は多くいますし、刑務所など他の場所でボランティア活動に従事している人もいます。
英国で働く大人の方には、ぜひボランティア活動をお勧めしたいですね。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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