1960年代から、西ドイツではガストアルバイター、東ドイツではフェアトラークスアルバイターと呼ばれた出稼ぎ労働者が働いていました。東西両方のドイツで労働力が不足していたため、移民が受け入れられていたのです。西ドイツと共に東ドイツも、彼ら労働者は何年かここで働いたのちに国に帰ると誤算していました。
1980年のベトナムと東ドイツとの契約のもとでは多くのベトナム人が入国しました。1989年までに約60000人がドレスデン、ベルリン、その他東ドイツの町に来ました。織物工業のような給料が低く過酷な労働をするため、この労働者たちは特別な寮舎に住まなければなりませんでした。ドイツ再統一ののち、最初に仕事を失った人の中には出稼ぎ労働者が多くいました。新しいドイツの政府はこの労働者を送還しようとしました。西ドイツと西ベルリンにもベトナム人が住んでいましたが、彼らは難民としてベルリンに来たので、ドイツ語を習う機会が与えられました。一方、多くの東ベルリンのベトナム人は労働者として働いていたので状況は異なりました。
ドイツに残るためには仕事が必要だったので、多くの人が軽食、八百屋、花屋、洋服リフォームを立ち上げて、自営業を始めました。
ベトナム人が多い以上、もちろんベトナム人向けの卸売市場もあります。
リヒテンベルク地区には、最も大きいドン・スアン・センターと言うベトナム市場があります。この4つのプレハブ倉庫から成る市場の名前はハノイの有名な市場に由来します。
ここに来る客は、商品を仕入れる店の主人からプライベートで買い物する人、ただ関心があって見に来る人まで様々です。
ドン・スアン・センターに行くと、ベルリンのどこにでもある小売店が販売する製品はどこから来るかが分かります。しかし、駐車場の車のナンバーをみると、遠くから来る購買者もあることがわかります。販売されている製品には衣料、造花、玩具などがあります。レストランや一般家庭の食料品を買い物したいならば、ドン・スアン・センターのスーパーで何でも手に入ります。
他にも色々なサービスが提供されています。小さいビューティ・サロンの隣にはマッサージやネイルサロン、若いベトナム人が行く美容院もあります。
買い物をした後は、ここの色々なレストランで美味しいベトナム料理を食べることができます。