難民申請が40万人見込まれているそうです。
昨年は20万2834人でした。そのうち10万248人が内戦を理由としたシリアからの難民で、その殆どは承認されるようです。滞在する難民達がドイツの人口、経済、そして文化にとってどんな意味をもたらすのでしょう。
一般国民の最大の不安材料:仕事と福祉制度の崩壊
実は、公式的な場で、積極的に国境を開いて難民を受け入れるように声を上げたのは、経営者連盟会長のクレイマー氏でした。背景には、ドイツ社会の高齢化と、毎年何千人分もの職場環境不足などの現状もあります。
これまでの予想では、50歳台以下の人々はほぼ年金が期待できないと言われています。難民受け入れの動きは、ドイツや主要先進工業国の多くが抱えている高齢化問題の対策と見られています。メルケル政権は保守的なキリスト教徒ですが、移民を受け入れる態度によって、メルケル首相は「クリスチャン」として、思いやりのジェスチャーで労働者不足の問題を解決することができました。
懸念とされていること:過剰外国化
移民の歴史を見てみましょう。
現代の日本でドイツ的とみなされてきたもの、旅行会社のパンフレットに出てくるイメージのドイツは、1989年まで存在していた西ドイツのことです。1989年のドイツ再統一以来、経済的に弱い東側から西側への流入。1960年代から現在820万人以上が、トルコ、イタリア等の移民労働者です。1992年にも、120万人の外国人がドイツに移民しました。
移民受け入れにおける「過剰外国化」の危険性。ドイツにとってその「外国の影響を受ける危険」とは何か。
トルコ的ドイツ文化とアラブ的ドイツ文化は特に、旧東ドイツの歴史よりも長く、現代のドイツの一部になっています。現状ドイツは長い移民受け入れの歴史があるためその恐れは意味がないようです。
例えて言うと、ドイツでドナーケバブとして知られている、トルコ料理のドイツバーションが分かりやすい例です。このファストフードは1970年代にベルリンのクロイツベルク地区でトルコから移民してきた家族が運営している店で生まれて以来、国民的ファストフードになりました。ベルリンでは、ドイツ料理よりも、ドナーケバブの売店が圧倒的に多いです。
そういった意味で、現代のドイツ社会を説明しようとしたら、ドナーケバブは分かりやすい象徴かもしれないですね。
参考資料、データ資料