• 2016.01.18
  • ドイツのゴミ分別システムとベルリンのゴミ事情
ドイツのゴミ分別システムについては、日本でも頻繁に宣伝されています。では、実際にそれが機能しているのか、ゴミ分別システムとドイツの各地域が持つ独特なゴミ対策について、今回はご紹介します。

ドイツのゴミの処理方法は、日本と同じように家庭の中で分けていくのが一般的です。異なる点は、アパートの家賃の中にゴミ処分費用が盛り込まれていることです。そして、住居管理者は居住者に分別用のゴミ箱を用意することになっていて、居住者は好きなタイミングでゴミを出せます。

地域によって、それぞれ違ったゴミ処分ルールがあって、それに応じて紙類、ガラス類、ペットボトルや飲料水用パックなどのゴミが、更にリサイクル市場へ廻されます。一般的には、粗大ゴミは、年間に決められたゴミ出し日が設定されていて、その決められている日時に道路に出しておくと、収集車が処分場へ持っていきます。

通常ゴミを捨てる「ゴミ・タンク」というものが建物に付随しています。それらは「カラーシステム」というアイデアで、それぞれのゴミ・タンクにはブルー、イエロー、グリーンの色が付いています。そしてゴミ・タンク自体の色が分別処理する際のマーキングの役割を担っています。

ベルリンでは、ゴミ・タンクの色は次のように分けられています。
イエロータンク=飲料用の紙パッケージ、薄いビニール素材、プラスチック
ブラックタンク=日常ゴミ
ブラウンタンク=生ゴミ
ブルータンク=紙類
オレンジタンク=ガラス専用

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ガラス専用のゴミ・タンクは、更に、ガラス瓶の色が白いもの、ブラウンのもの、グリーンのもので分けられます。分別がきちんと守られていないゴミが見つかった場合、改めて分別させられます。場合によっては罰則金が課せられます。

ベルリンでは、多くの人数でシェアしている賃貸ハウスが多いです。ベルリンそして他の街々でもルールが異なっているので、そういったシェアハウスにいると共通の分別の考え方がないことに気付きます。 特に、異なった街、異なった国の人々がシェアするアパートになると、人それぞれのルールが混乱の元になっています。

ベルリンでは粗大ゴミの収集センターが遠隔地にあり、そこに粗大ゴミを持参して捨てるようになっていますが、ベルリンの若者は特に車を持たない人が多く、もし行くとするならレンタカーを借りて捨てにいくことになります。しかし、なかなかそこまで行動する人は少なく、ゴミと化した電気製品が路上に捨てられている風景は日常茶飯事です。

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いま私は、路上に捨てられているのですが、とても素敵な家具の前にいます。この家具の背後に、きっと持ち主だった人のいろんな物語が隠れていることでしょう。




特派員

  • 羽生 和仁
  • 職業キュレーター、メディアアートマネージメント

2001年ベルリンにて、メディアアートのキュレーションレーベルonpa)))))を設立。世界各国のアーティストやフェスティヴァルとの人脈を構築。ベルリンと東京のジェットセッターとして活動中。

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