語学学校で本当に大切なのは、「どの学校に通うか」よりも「どんな先生に出会えるか」だと私は感じています。幸運なことに、私はコロンビア出身の女性の先生のクラスに入ることができました。とても熱心で明るく、常に生徒一人ひとりに寄り添ってくれる素敵な先生です。毎日の授業が本当に楽しく、学ぶ意欲も自然と湧いてきます。
クラスはレベルごとに分かれていて、生徒の入れ替わりも頻繁にあります。以前は南米出身の男子が多かったのですが、今はアジア圏の女子が中心。ちなみに日本人は私を含めて2人だけで、他には韓国、ベトナム、モンゴルなど多国籍な構成です。
先日、私たちが大好きな先生の誕生日がありました。クラス全員でサプライズを計画し、授業の合間にケーキでお祝いすることに。クラスメートが用意してくれたケーキは、色鮮やかでユニークなデザインのもので、日本ではなかなか見かけないカラフルさに驚きました。国が違えばケーキの見た目も味も変わる、それもまた異文化交流の楽しみです。
私のクラスは韓国人の女子が多くいるので、ケーキの配り方に韓国文化が取り入れられました。まずは誕生日の先生が選び、次に年上の人から順に選んでいきます。若い人は最後、というユニークなルールです。ありがたいことに(笑)、私は先生の次にケーキを選ばせてもらいました。
誰かの誕生日にこうして授業中に自然とお祝いができる、そんな気軽な文化はとても素敵だと思います。もちろん、日本のきめ細やかなサービスや接客は世界に誇れるものですが、オーストラリアでは人々が肩の力を抜いて、自然体で過ごしている様子が印象的です。
とはいえ、最近のオーストラリアでは学生ビザの取得が年々厳しくなっており、それに伴って語学学校の閉校も増加しています。生徒数の減少は先生の雇用にも直結し、教育現場にとって大きな課題となっています。特に今年のビザ申請費用は、昨年の約3倍に跳ね上がり、却下されるリスクを考えると、高いお金を払ってまで入学したいと考える生徒は確実に減っているのが現状です。移民の多いオーストラリアでは、こうしたビザの問題は常に社会的な関心事でもあります。
それでも、多国籍のクラスメートと毎日異なる文化や価値観に触れながら学べるこの環境は、今しかできないかけがえのない経験です。私が書道をしていることを伝えると、先生やクラスメートはいつも興味をもってくれます。新しい生徒がクラスに加わるたびに、先生が私の書道パフォーマンスの動画をYouTubeで見せてくれることもあり、少し照れくさいですが嬉しくもあります。
お互いの違いを尊重し合いながら、一緒に学び、笑い合えるこの環境はとても心地よく、これからもこの時間を大切に過ごしていきたいと思っています。



