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コスプレコンテスト
ここ数年、ディジョン・サイテンは毎回特別ゲストを招待しています。登場するゲストの顔ぶれは、アーティスト、日本で言うところの「アイドル」、フランス人漫画家や有名なユーチューバーなどです。最後に挙げたユーチューバーと呼ばれるカテゴリーは、個人的には特に面白いと思っている人たちです。ポッドキャストで日本のカルチャー関連のジャンルに名を連ねる「ユーチューバー」たちは、こうしたアクセスが簡単な配信プラットフォームを利用して、それぞれの個性や世界観、ユーモアのセンスを注ぎ込みながら日本への熱い思いを発信しているのです。最近のユーチューバー人気の影響で、若者たちはこうしたプラットフォームを使って自らのアイディアを低予算で発信するようになりました。自分の部屋から直接ストリーム配信を行うのが彼らの主流のスタイルです。彼らはみんな日本に憧れを抱いているし、また「ギーク(オタク)」文化を代表する点でも共通しています。これらユーチューバーの中には、有名な歌手やモデルに劣らぬほどネット界で著名になり、ディジョン・サイテンやジャパン・エキスポといったイベントの常連参加者になったものもいます。この種のフェスティバルは、フランス人の日本に対する憧れをさらに膨らませています。フランスで日本のカルチャー人気に火が付いたのは80年代半ばですが、当時はまだ年齢層が高めの人々にはほとんど知られていませんでした。例えばビデオゲームや漫画などは、変人や社会の本流をはずれた人々をターゲットにした「下層階級」のカルチャーであるという認識だったのです。ところが今やその認知度は飛躍的に向上し、ディジョン・サイテンやジャパン・エキスポなどのイベントの効果も相まって、このエキゾチックなカルチャーは多くの人々の知るところとなりました。もちろん、すべての範囲をカバーできたと言えるまでには程遠い段階ですが、このわずか数年の間にも、かつての陳腐な印象はかなり払拭されています。このトレンドが後退する気配はまったくありません。それどころか日本はますますフランスの若者の人気を集めていて、これは私にとっても喜ばしい限りです。子供時代の私がそうであったように、日本に心を魅かれるフランスの若者は増える一方なのです。フランスと日本は、文化的にきわめて強力な絆を分かち合い、お互いの魅力をアピールし合える国だと思っています。日本に関するイベントの人気が着実に高まっていることからも分かるように、フランスと日本のラブストーリーに終わりはなさそうです。