オジーリア湖はボルミダ渓谷、より正確にはその名の由来であるオジーリアという自治体にあります。1930年代の中頃に作られ、ブナや栗の木で囲まれた湖岸が自慢の人造湖で、今では自然に親しむのに絶好の名所となっています。
メンテナンス作業を行うため、この湖はほぼ10年ごとに水を抜いています。運よくその時ここを訪れることができたら、湖の底から再び姿を現す昔々の町を拝めます。遺跡と化した古い家屋や教会が描き出す、ユニークな眺めやたいそう幻想的な雰囲気を味わうことができますよ。
スポーツ好きが集まる場所でもあるオジーリア湖。ボート競技やトラウトと呼ばれる淡水魚を釣るスポーツフィッシングなど、各種スポーツ大会がここで開催されます。インバルカデロという小さなダイニングバーもあって、ビーチパラソルやビーチチェアの貸出し付きのプライベートな砂浜を備えています。日光浴を楽しむもよし、ペダルボートやカヤックを借りて湖で冒険に挑むもよし。湖岸は全長10㎞ぐらい、小さな入り江やピクニックエリア、ウォーキングコース、飛び込みができる小さな突堤などもあり、ここでは退屈するヒマなどありません。お子さんを連れて来ても最高の1日が過ごせるでしょう。
すでに説明したとおり、オジーリア湖は人造湖。1930年代初頭、オジリエッタ・ダムの建設時に作られました。このダムの建設中に、家や教会を含む町の一部が計画的に沈められたのです。ボルミダ渓谷にある鉄鋼業の工場用水量を調節しつつ、夏の渇水に悩む地元集落にも安定した水量を供給するためには、ダムの建設が必要でした。
オジーリア湖はサヴォーナ県で最大、リグーリア州でも屈指の大きさを持つ淡水貯水池で、さらに釣りの名所としても人気です。
しかし地域の動物保護団体からは、この湖については別の打ち出し方を目指す必要があるという声が上がっていて、湖を見守ろう、貴重な動物相を形成している魚の捕獲はやめよう、湖の使用目的は遊泳やシュノーケリング、ボート、カヤックといった穏やかでエコロジカルなアクティビティだけにしよう、というのがその内容です。周辺の丘陵地帯にはご当地自慢のおいしい名物料理(ベジタリアン向けメニューも多い)が食べられる代表的なトラットリアがたくさんありますし、この地の動物相に外来魚であるトラウトを引き込んでしまう心配もあるからです。
湖水の表面積はたいへん広く、自然面でも環境面でも周囲に完全に溶け込んでいます。両岸を結んで湖の真ん中を横断する橋は、設計を手がけたデザイナーの名前を取って「マンフリン橋」と呼ばれます。
自転車でも徒歩でも、何なら自動車でも通行可能なマンフリン橋ですが、幅がひどく狭いうえ、渡った先にあるのは小さな村だけです。
この近くに、湖の美しい眺めを見晴らせるピクニック場があります。ここから出発するハイキングコースではブナ、針葉樹、栗やオークの林を通り、たどり着いた頂上の丘からはボルミダ渓谷と湖の絶景が楽しめますよ。
湖のまわりには鵜(ウ)やサギ、野生のイノシシやノロジカなど、多くの鳥類や哺乳類が生息しています。
ちょっとしたリフレッシュに最適のオジーリア湖