• 2022.05.13
  • リグーリア ブログ-ヴィンテージ? ただの古物?
私は週末に、ヴィンテージ品の蚤の市に行くのが大好きです。
時代がかった品物や過去の記憶でいっぱいのヴィンテージ・マーケット。その会場がリグーリア・リヴィエラのこぢんまりとした風光明媚な集落、あるいは歴史ある町の広場なら、さらに言うことなしです。
イタリアでは日曜日になると必ずと言っていいほど、アンティークやメモラビリア(有名なイベントや人物に関連した記念品やグッズなど)の蚤の市、ヴィンテージやユーズド品のマーケットがどこかで開催されています。こうした市はイタリア各地で開催されていて、その多くは足を運んで購入する人の多い週末に行われています。


ヴィンテージ・マーケット-(友人・キアラ・ヴァッサロ撮影)

ジェノヴァでは毎週日曜日、旧港近くの古い路地で大きな蚤の市が開かれていて、ステッキや絵はがき、人形や古いレース、モノクロの写真、古い雑誌などのアンティーク小物や骨董品を販売する露店がたくさん並びます。骨董品から単に古い物まで何でも揃っていて、ヴィンテージの服やアンティーク品、家具やジュエリーもあります。
歴史中心地区にあるこの通りに数多くの露店が並び始めたのは、もう20年以上前のこと。
とりわけ私が好きなのは、コレクターズアイテムや古い遺物類、家具、絵画や人形などを物色して歩くこと。
ジェノヴァ市近くのラヴァーニャという小さな村で毎月第一木曜に開催されるマーケットも、私のお気に入りです。
ここの露店では、母が集めているので私もたまに購入する古いレコードから、アンティーク家具、経年によりページが変色した古い雑誌のほか、途方もない値段が付いた珍しい逸品まで、様々な品に出会えます。
私は何ヶ月か前からこの手のマーケットに行くのにハマっているのですが、これは「Cash or Trash?」というテレビの新番組の影響です。ヴィンテージ品や屋根裏で見つかった品物に対し、5人の業者の誰が最高価格を付けるかが見どころの番組で、一般の人が番組に参加し、査定対象となる「商品」を出品します。
最初に、出品された品物の価値を専門家が見積もり、出品者に商品の潜在的価値を伝えます。その後、専門家の見積もりを知らされていない業者5人が登場し、オークションでその品物を競り合うのです。中には商売上手の出品者もいて、ジャンク品に高値が付いたりするのがこのショーの面白さ。
この番組を観始めてからというもの、私もジャンクに埋もれた「お宝」を掘り出そうと、マーケットではこれまで以上に注意深く品定めをするようになりました。
どんなものを探せばいいのかという知恵も少し付いてきたし、「宝探し」ゲームとしても最高に楽しめます。

イタリアのヴィンテージ市場の在庫が豊富なのは、古い屋根裏で見つかった品物を売ったり寄贈したりする人が多いから。家の中のスペースを確保するために片付けをしたり、あるいは祖父母の家の相続などがあると屋根裏に埋もれていた品々が出てきたりするわけです。
そうした不用品を売ったり寄贈したりするには、いくつかの方法があります。
「スヴオタキャンティーン」(svuotacantine、イタリア語で「地下室の断捨離エキスパート」の意味)は、電話1本でイタリア式小型オート三輪「アぺ」(ape、英語では「トゥク・トゥク」)がやって来て、定額の料金を渡せば何でも引き取ってくれます。(そうです、このサービスは、こちらがお金を払わなくてはならないのです。)
各地域の決まった場所に月に1回やって来る小型のトラック「カミオンチーノ・ディ・カルティエール」(camioncino di quartiere、「ご近所トラック」)に依頼するという手もあります。こちらのトラックは自治体から派遣されたもので、処分したい販売可能なジャンク品を引き取ってくれるサービスです。
3つ目は、地元のリサイクルショップや中古品マーケットで1点ずつ売る方法。これが一番便利なのではないでしょうか。地元の蚤の市で自分が売った商品が売値よりもはるかに高い値段で売られているのを目にすることになる可能性もありますが、とにかく買い取ってもらうことで多少なりとも自分の懐にお金が入ってきますからね。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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