フード・オン・ホイール - ポートランドのフードカート事情|パトリツィア・ マルゲリータ|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

  • 2016.01.29
  • フード・オン・ホイール - ポートランドのフードカート事情
ポートランドには550台を超えるフードカート(テイクアウト専門の屋台)があり、川を挟んだ両側、市内のいたる所に見受けられます。世界のフード専門誌数社は、ストリート・フード世界NO.1この街を選んでいます。素晴らしく発達した公共交通網と自転車人気の結果、市内の移動に車を使用しないポートランド住民の数が増加しているせいもあって、道路脇に登場したこの新現象は市内のほぼ全ての空き駐車場を徐々に占拠しつつあります。

ポートランドのフードカートはメキシコからモーリシャスまで、ジョージアの名物料理からイスラエルの珍味まで、60カ国以上の料理を提供しているので、間違いなく、最もバラエティに富んだストリート・フードが味わえる街でしょう。他の都市の移動式フードトラックと違って、ポートランドのフードカートの殆どは他のカートと一緒に市内の「ポッド」と呼ばれる専用の場所に駐車しているので、同時に何種類かの料理を味わえて便利です。
イギリスの伝統食「フィッシュ・アンド・チップス」からユニークなビーガン(完全菜食主義)・バーガーまで、ポートランドのフードカートはあらゆる人の注文に応じることができます。
評判のフードカートがダウンタウンで一番多く集合しているのは、サウスウェスト9番通りと10番通りの間のビジネス街付近です。平日は大半のカートが長めのランチタイム営業なので、オフィス勤めの人達が簡単に美味しいランチを調達できる便利なスポットになっています。小さなテーブルを用意しているカートもありますが、大多数のお客さんはテイクアウトして、近くの公園に行ったり職場に戻って食べるほうを好みます。一番人気のカートではアジア料理をアレンジした丼もの、創作サンドイッチ、韓国の焼肉料理などを出していますが、インド料理やタイ料理、とても人気のあるチェコ料理のカートも目に入ります。

Photo 1
珍しいジョージア料理のカート
Photo 2
ジョージア料理は試してみたい名物料理のひとつ


もう一ヶ所の人気のポッド(屋台村)はウォーターフロントで、ウィラメット川を見晴らす大きな公園の真ん中にあります。ここでは座席を用意しているカートは殆どありませんが、公園がすぐ傍にあるので、料理を何品か買って、眺めを楽しみながら即席のピクニックを楽しめる理想のスポットです。

ダウンタウンの南端にあるポートランド州立大学ポッドは、大学のキャンパスと樹々が生い茂るサウス・パーク・ブロックスに近く、大学の食堂よりここで食べる方が好きという学生にはうってつけです。

Photo 3 ポートランドの公園は理想のピクニック・スポット


ポートランドの住民は食べることが好きだったり食べ物にうるさいことで知られていますから、街中の大多数のカートはグルメ料理を提供し、地産の材料や高品質の製品だけを使用しています。又、ベジタリアンとビーガン(完全菜食主義者)の割合がアメリカ国内で最も高いこともポートランドの誇りのひとつですから、お客さんを逃がしたくないと思ったら、殆どのカートはメニューにベジタリアンやビーガン用のオプションを入れておく必要があります。
たくさんのカートがタイ、インド、メキシコ、イタリアなどの異国料理や伝統的なアメリカ料理を出していますが、イタリアの典型的な料理とアジア素材を組合せたり、アメリカならではハンバーガーにワサビや蜂蜜やビーツを使ったりして、独自に考案したオリジナルのフュージョン料理に挑戦しているカートも少なくありません。

Photo 4 各国の料理が並ぶフードカート


ポートランドで人気不動のカートは、カラっと2度揚げしたフライド・ポテトにチーズたっぷりのグレービー・ソースをかける「カートピア」。カートピアは屋根付きの暖房座席エリアを提供している市内でも数少ないカートのひとつで、営業時間が長いので、特に若者にとっては絶対に外せないナイトスポットです。カートピアと座席エリアを共有する「PBJグリル」は、例えばオリーブ・ブレッドにスモークした山羊のチーズ、アーモンドバター、ベーコン、アプリコット・ジャムを挟んだものとか、ユニークで美味しいパニーニを作っています。
正にポートランドならではの「カートランディア・フードカート・ポッド」は、近くの自転車専用道路から簡単に立ち寄れるサイクリスト御用達のフードカート・ポッド。色々な国籍料理を供する30台以上のフードカート、愛犬同伴OKエリア、子供達の遊び場所があります。

Photo 5 色々な国の料理を出す人気のフードカート・ポッド


こんなフードカート・フィーバーがポートランドに蔓延したのは偶然ではありません。この街は元来「食」に関する冒険心で有名でした。様々な文化と国籍の坩堝として、とても開放的な精神を持ち、太平洋岸北西部で特別に国際的なオアシスへと発展したポートランドでは、ずいぶん以前からエスニック・レストランや斬新なレストランがありました。
特殊な旅行会社の中にはフードカートの徒歩巡りツアーを催行しているところもあります。フードカートの歴史やフードカートが大きく発展するに至った社会経済的条件などを説明してくれますが、もちろん、地元の味の試食も含まれています。

ポートランド市観光案内所でもフードカートとその近辺のツアーを提案しています。これは市内の色々な地区と複数のフードカート・ポッドを訪れるガイド付きバスツアーです。色々な場所で停車して、小型カートの中で行なわれている料理に関して、普通では知り得ない内情を垣間見せてくれます。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申(さる)
  • 性別女性
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

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