• 2016.05.02
  • ポートランドのリビングへようこそ
ポートランド市街のど真ん中に位置するパイオニア・コートハウス・スクエアは、住民にとっていわばポートランドのリビングルームのような存在として知られています。10年前はさびれて いたこの場所も、開発の甲斐あって今や賑わいのある街の広場に生まれ変わりました。年間に900万人を超える人々が訪れる、オレゴン州でもピカイチの人気スポットです。
広場の東側にあるパイオニア裁判所(太平洋岸北西部では最古の連邦政府ビル)にちなんでこの名前が付けられました。雨の日も晴れの日も、観光客や家族連れ、市街地のオフィスに勤めている人々がポートランド暮らしを謳歌すべく、連日この場所に集まり、数々の施設や設備を利用しています。広場のオープンスペースの赤レンガの上では、ポートランドでも有名なフードカートが営業中。さらに、街全体を無料のWi-Fiスポットにするという都市計画の一環として、「ポートランドのリビングルーム」では無料のWi-Fiも利用できます。

Photo 1  広場の銅像とフードカート
                                           
この公園には誰でも無料で遊べる実物大のチェスボードもあり、敷地のあちこちにたくさんのカフェが店を構えています。パイオニア・コートハウス・スクエアの周辺エリアにも、ポートランドで一番人気の一流バーやハイグレードなダンスクラブなどが立ち並び、特に夏の間は、各店舗がテラス席から見える広場の眺めを競い合っています。

Photo 2. ポートランド屈指のバーから眺める広場の景色
                                           
                                                    広場を覆う赤レンガを「購入」すれば好きな文字を彫ることが出来るため、足元に目をやると記念日のお祝いの言葉やプロポーズの言葉が多く刻まれています。

                               
SAMSUNG CAMERA PICTURES 広場全体に敷き詰められた赤レンガ
                                           
                  ここでは様々なショーやフェア、アート作品の展示なども開催され、年間およそ300ものイベントが行われています(ほぼ毎日、何かやってるってこと!)。その内容はと言えば、大規模な音楽コンサートもあれば、毎週月曜日に広場を賑わせる「ポートランド・フラワーマーケット」のような地域主催のマーケットも。夏ともなれば「Flicks on the Bricks」の幕開けと共に、『リビングルーム』がオレゴンで最大の規模を誇る無料の屋外ムービーシアターへと変身します。

                           
Photo 4.  パイオニア・コートハウス・スクエア、別名ポートランドのリビングルーム
                                           
一年を通して開催される数多くのフェスティバルの中には、ポートランド州の様々なコミュニティによる民族色豊かなフェアも見られます。イタリア祭や中国の春節祭のパレードなどもそれらに含まれるイベントです。
「Sand in the City」※のように、予告なしで行われるユニークなフェスティバルもあります。ポートランドで20年の伝統があるこのイベントは、オレゴンの海岸地域から砂の塊を街中に運び、7月の3日間、砂や砂の城で広場を埋め尽くすという趣向。イベントのメインとなる初日には砂の彫刻コンテストが行われます。地元企業や団体の代表チームが、このコンテストのためにタッグを組んだ地元の建築家のデザインをもとに、5時間という制限時間内に砂の像を製作します。

※2015年を最後に開催終了


Photo 5 Sand in the Cityの砂の彫刻
                                           
                              毎年ニューヨーク市と凌ぎを削って行われるポートランド市主催の感謝祭のパレードは、広場にそびえるオレゴン最大のクリスマスツリー点灯の瞬間で一大フィナーレを迎えます。パレードがポートランド中心街の通りの向こうから動物やアニメのキャラの風船を引き連れて現れると、子供も大人も声援を送らずにはいられません。非常に活気に満ちた街、ポートランドの鼓動が最も強く聞こえる場所は、間違いなく、ここパイオニア・コートハウス・スクエアでしょう。

 
Photo 6 文化の坩堝で交差点でもあるポートランドのリビングルーム
                                           
                       


特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

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