• 2016.07.12
  • オレゴン・コーストへの旅
深い森や緑あふれる公園をこよなく愛するポートランダーでも、海が恋しくなることはあります。そんなときは岩場の海岸線、オレゴン・コースト沿いにあるスタイリッシュでファンキーなビーチタウンへとエスケープします。

オレゴン・コースト・ハイウェイもしくは国道26号線は、ヤングス湾から、オズワルド・ウェスト州立公園の緑豊かな地形に位置するアーチ・ケイプへとつながっています。これは、オレゴン屈指のビーチタウンとして知られるシーサイドの町を通過する30マイル(約48km)の道のりです。シーサイドはオレゴン・コースト上に位置するポートランドから最も近い自治体となります。
シーサイドのすぐそばには、芸術村として知られるキャノン・ビーチがあります。住民の大半が芸術家というこの小さな街には、十数件のアートギャラリーのほか、手工芸品のアトリエやショップもいくつかあります。

芸術家のコミュニティとして栄える海辺のリゾート地、キャノン・ビーチ。

Photo n 1 b
シーサイドで人気のメインストリート。
                                 
キャノン・ビーチの目の前にはヘイスタック・ロックがそびえています。一枚岩では世界で3番目に大きい、高さ235フィート(約72m)の玄武岩です。2つの州立公園に挟まれた、岩周りの砂州には、潮溜まりが多く、そこにはスカシカシパンやウニがたくさんいます。歩くだけで美しい神秘的な雰囲気を楽しめます。昔から地元の多くの画家や詩人は、このビーチをぶらつきながらインスピレーションを得て、「岩」を称える作品を生み出してきたのです。

Photo n 2
キャノン・ビーチから見たヘイスタック・ロック。
 
         オレゴン・コーストの最北端に位置するアストリアは、太平洋沿岸部でアメリカ最古の入植地(1811年開拓)です。ヴィクトリア様式の街並みが残るかつての漁師町は、1980年代に製作された少年映画『グーニーズ』のロケ地として一躍有名になりました。古さと新しさが調和したこの港町は、大勢の若者や年配の観光客を惹きつけ、オレゴン州とワシントン州を北に結ぶ全長6kmの鋼橋、アストリア・ブリッジは観光名所として特に有名です。
  また、名物のダンジネスクラブ(アメリカイチョウガニ)を提供するレストランが数多くあるので、4月~7月の漁の季節になると多くのポートランダーがこれを目当てにやってきます。

Photo n 3
アストリア名物のダンジネスクラブ。
 
                                         グルメで知られるポートランダーは、ローカルフードや高級料理を楽しむだけでなく、ティラムックの港町にあるティラムック・チーズ・ファクトリーにも足を運びます。地元の大手生産者がここで作っているのはチーズ、アイスクリーム、ヨーグルト、バターです。家族経営の工場で一般公開されているため、乳製品の製造・梱包工程を誰でも見ることができます。訪問者は購入する前にすべての製品を試食でき、平日には工場内の自由見学も可能です。

Photo  n 4
自由見学もできるティラムックの乳製品工場。
 
オレゴン・コーストは隣接するカリフォルニアほど晴天や温暖な気候に恵まれているわけではありませんが、スコットランドやアイルランドといった遠く離れた場所を想起させる、神秘的で物憂げな雰囲気を醸し出す海岸に、地元の人も観光客も心を奪われます。ますます人気のオレゴン・コーストは、アメリカ西海岸を訪れる旅行者にとって外せない観光地となっています。

Photo n 5
岩だらけのオレゴン・コーストではどんよりした天気も多い。
 
                  

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申(さる)
  • 性別女性
  • 職業翻訳者、編集者、教師

米国とイタリアに住んでおり、両国に深いルーツを持っています。広く世界を旅する中、日本で4ヶ月を過ごし、桜とたこ焼きに恋をしました。現在、世界中の友人からレシピを集め、料理の本を編集しています。

パトリツィア・ マルゲリータの記事一覧を見る

最新記事

おすすめ記事

リポーター

最新記事

おすすめ記事

PAGE TOP