ポートランドは「若者がリタイアをしにやってくる」街と言う人がいます。その理由としてよく挙げられるのが、ヒップスターやヒッピーのカルチャーに根ざした環境を求めて、
全米中から多くの若者が移住しにくることです。彼らは、できればコーヒーショップや街に数多くあるユースホステルでアルバイトをしながら、のんびり暮らすことを望んでいます。
ポートランドにはホームレスも受け入れているシェルターがたくさんあるので、社会から締め出されてしまった人や薬物常用者、家出人などの「メッカ」にもなっています。そして、これが街の悪評として米国内でしばしば話題になったりもしています。
しかし、その一方、ポートランドは学園都市で、地元でPSUと呼ばれているポートランド州立大学(公立)とポートランド大学(私立カトリック教会系)の2つの大学があり、オレゴン州やその他の州はもちろん、海外からの学生も多く集まっています。
この街は多文化的で他の民族や文化に対してオープンです。ポートランド州立大学はこの多文化性の根幹を担っています。キャンパスはダウンタウンの中央に位置し、ポートランド市街地の主要な公立公園であるパーク・ブロックスの真ん中にあります。
パーク・ブロックスのど真ん中にあるPSUのキャンパス
街の中心部に大学があることは米国では珍しく、大半のキャンパスは主要都市部から離れたところに建てられています。ポートランド州立大学はこのユニークな立地によって、いっそう学びやすい環境を提供しています。工学から経営学、金融学、外国語、芸術までさまざまな分野にわたる学士号や修士号、博士号の取得が可能な同大学には、毎年、入学を希望する欧州やアジア、南米の学生が後を絶ちません。
ダウンタウンにあるポートランド州立大学の美しいキャンパス
ポートランドは学生天国です。コンサートやフェスティバル、ライブコンサート会場など、若者が大勢で盛り上がれる娯楽が豊富にあって、手頃な値ごろで食事ができる場所にも事欠きません。アパートの家賃も隣のカリフォルニア州に比べたら手頃です。そして、ポートランド州立大学のかわいらしいキャンパスは街のど真ん中にあります。この街の交通システムは効率的で信頼性も高いので、学生が街を移動するのに便利ですし、市街地には図書館が25以上もあります。
ダウンタウンにあるポートランドの主要図書館は街最大の建物で、街の一区画を占める広さを誇ります。蔵書数は10万冊以上で、貴重な初版本もたくさん保管されています。
ダウンタウンのパーク・ブロックス内にある歴史的石碑
手軽な値段で生活できて、無料の公共Wi-Fi(ダウンタウンエリア全体とその周辺部をカバー)が完備されているポートランドは、お金のない学生にとって理想的な場所です。コーヒー文化の街でカフェもたくさんあるので、夜遅い時間に学生が集まって勉強する場合にもうってつけの環境が整っています。