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  • 2018.06.12
  • 未来を変える大きな一歩!
5月25日、アイルランドの未来が大きく動きました!

そのきっかけは「国民投票」。

実はアイルランドは、2015年5月、私がこちらへ来る直前に、世界で初めて「国民の投票によって」同性婚が合法化された画期的な歴史を持つ国です。つまり、同性婚が認められている国は他にもあるけれど、それらは政府が取り決めた法律であって、国民の賛同によって可決された国としては、アイルランドが初ということです。

余談ですが、そのためゲイパレードも盛大に盛り上がりますし、ものすごく有名なゲイのタレントさん?(本を出版しているような方です)がいるゲイバーも町の大通りにあったりします。私がアイルランドに来てすぐにゲイパレードがあったのですが、パレードの日の夜にベロベロになりシェアメイトとクラブに行ったところ、ゲイカップルの方々がたっくさんいて、とっても背の高いお姉さんに何故か濃厚なチューをされたのは自分の限界を知るためには良い経験でした。笑

こちらがそのゲイパレードの様子。


そして今回の国民投票のテーマというのが…


「国内における人口中絶手術の合法化」


以前の記事で書いたように、カトリックの歴史が長いアイルランドでは、芽生えた命を生まれる前に絶やしてしまうなんて言語道断。女性の国籍を問わず、国内における中絶手術は違法とされています。レイプ被害や母親の命が危険な場合など、例外措置はもちろんあるようですが、それぞれの事情で本当に手術が必要な方たちは、そのためだけにわざわざ近隣の国へ渡っているのです。

もちろん、どんな状況であろうが命です。それを自分たちの都合だけでどうこうして良いものかどうかは、私自身はっきりとは分かりません。でも日本でたまにあるニュースで、産んでも育てられないような年で身ごもってしまって、誰にも言えずにトイレで出産してその場で捨ててしまうとか、無事に産んだとしても責任が持てずに育児放棄をしてしまったり…中絶できないがために生まれてくる命が、そういった道しか歩めないのなら。そう思ってしまうのです。もちろん全面的にどんどん手術をしようというものでは決してありませんが、1つの選択肢としてあれば、もっと生きやすい国になるんじゃないかな、と。


先に書いたようにこれには宗教的な歴史ががっつり絡んでいます。やはり私たちの親世代以上は、「何を言ってるんだ、NOに決まってるだろう。」という感じの方が多くいらっしゃるようですし、比較的働き盛りの若い世代の方はスーツを着たビジネスマンなんかも、胸に自分の主張「YES」のシールやバッジを付けて街を歩いている人がたくさんいました。町の電柱は余すところなく両者が思い思いに作ったポスターが貼られ、中にはYESのポスターの上にスプレーで大きくNOと書いたり、逆ももちろん然りで軽く一触即発ムードでした。

こちらがYESのポスターたち。


続いてこちらがNO。


結果的に、やはり西の方の地方を除いてはYESが多かったようで今回この法案は可決となる方向です。これは本当に大きな一歩で、どのように変わっていくかは投票権がない身にも関わらず、女性として大変興味深いテーマの国民投票でした。長く住んでいる場所なので、より良い国になっていけば良いな、と陰ながら願います。

特派員

  • 三木 佳子
  • 職業翻訳家

アイルランドのダブリン在住、三木佳子(みきけいこ)です。現地でゲームの翻訳をしています。日本ではあまり馴染みのないアイルランドの文化や生活、アイルランドから見た日本について、皆さんとワクワクやクスッを共有できれば嬉しいです。

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