ご存知の方もいるかもしれませんが、南米で話されている言語はブラジル以外はスペイン語です。でもスペインという国自体はヨーロッパにありますよね?地理的には離れていますが、同じ言語を共有しているのです。日本語を話す国は日本以外にありませんから、少し不思議な感じがするかもしれません。
ただ、お互い問題なくコミュニケーションは取れるものの、時々違う単語を使っていたり話し方や発音が違うこともあるみたいです。スペイン語を勉強しだしてまだ日が浅い前出の友人は、今いる南米のスペイン語が基準になっているんですね。それは当然なのですが、その一言というのが
「ヨーロッパのスペイン語は言葉遣いが汚いらしい」
南米で彼にスペイン語を教えている人が言ったそうですが、果たしてそうなのでしょうか?私も彼もスペイン語のそんな小さな違いは分かりません。さらに、私の同僚のスペイン人は、南米で話されているスペイン語はスタンダードではないと言います。
強いて言えば、東京の人が関西弁を聞いて「品がない」と言っているようなものでしょうか。もしくは関西の女子が「標準語を話す男性は頼りない」と言っているような(ちなみに私は関西育ち、標準語を話す男性は言葉遣いが優しくて大好きです笑)。そして、外国の方(日本に長く住んでいらっしゃる方以外)には、まあまずこの感覚は分からないでしょう。
日本語に置き換えて考えてみると、ネイティブ同士が個人の意見として言うのなら違和感はありませんね。それぞれ好きな方言や話し方があるのは育った環境も関係しますので、当たり前だとも思います。
ここで私が疑問に思うのは、ネイティブでない私たちがどういう姿勢でいるべきかという点です。「先生の言うことを信じるな」とは言いません(他方にネガティブな印象を植え付けることを言っちゃう先生も先生ですが笑)が、実際に自分の耳でその言語を聞いてみて、果たして本当にその言語が汚いと思うでしょうか?
これは英語も同じなのです。実はアイルランドへ来る前、このことが本当に不安だったんです。なぜならアイルランドの英語は「とっても訛っている」ことで有名だから笑。英語を身に付けたいと思っていた当時の自分としては、訛りを覚えてしまったらどうしよう?と心配していました。
そんな中、海外保険を担当してくれたお姉さんがアイルランドへ来たことがあるということで、心の内を相談させていただいたところ…「Englishって言うくらいだから起源はイギリスだけど、人口だけで言えばアメリカ英語話者の方が多いし、世界中の人が話す言語だからみんなどこかしら訛ってる。どれが標準かなんて今更分からないから気にしなくて大丈夫!」そう言い切ってくださったのです。それまで悩んでいたことが嘘のように気持ちが軽くなったのを今でも覚えています。
実際アイルランド訛りはありますし、地域によっては「…英語?」となる地域もあるみたいですが笑、知らない人に「Love」(イギリス英語の「Dear」と同意)と声をかける、優しさがにじみ出るような英語がアイルランド英語です。ちなみに、先日アイリッシュの友達と久しぶりに会った時、「アイルランド英語になってる!」と喜ばれました笑。
言語を勉強したいと思っている日本の方へお伝えしたいのは「伝われば大丈夫」ということ。日本人の英語は発音が…とよく言われますが、伝わるならそれさえ「日本語訛りの英語」で良いのではないかと思うのです。島国で育ち、外国語に触れる機会に乏しい日本人だからこそ、広い視野、広い心で物事を受け入れるよう意識したいものです。