• 2017.09.27
  • サンパウロ州でヒット中、ダイソー店
今考えてもぞっとする、ブラジルの1989年の年間平均インフレ率が1,232.71%。給料が入ったその日に約一カ月分の買い物をしにスーパーマーケットに走ったものです。毎日のように品物の値段があがり、少しでも安く販売しているお店を探したものです。1990年後半には経済的に少し落ち着き、その頃から店内の品物全てR$1.99(当時約US$2)で販売するお店が増えました。製品のほとんどは中国製のものであり、おもちゃ、文房具、キッチン用品、ツール、装飾品と様々な製品が販売されました。店員は会計にいるだけなので、自由にゆっくり品物を見ることができるのが利点で、当時は安い品としてヒットしました。「この品、199(一、九、九)で買ったの!」と、R$1.99で販売する店の事を、199と呼び、その値段よりも価値があり、得した気がするとよく自慢したものでした。

後にブラジルの経済が良くなっていくにつれて、ただ安い品を選ぶのではなく、良質なものを選ぶようになり、199の店が減り、2010年には殆どなくなってました。

2012年の12月にブラジルに進出してきたのが、100円ショップ、ダイソー(Daiso Japan)です。キッチン用品、文房具、ツール、装飾品、ガーデニング用品、食器など7000品もあり、第一店オープン時から大ヒットしました。店内は広々としていて明るく、きれいに並べられている商品、そして日本の曲が流れてきて、なんと日本にいる感覚に! カラフルな商品やその品数に驚く。店員たちもテキパキと動き、製品の説明をしてくれて、ブラジル人も満足。品物の値段はR$1.99からR$49.99(約US$ 0.60から US$15)の間で、その80%はR$7.99 (約US$2.40)で販売されている。日本では100円の品がこちらでは2.5倍の値段で販売されていることになりますが、輸入されている事、税金など考えると仕方がない事です。
ダイソーの品の中でこちらでヒットしている4点は、動物の絵の小さなセラミック花瓶。キューブのメラミンスポンジ(この製品はブラジルにはありません)。かわいい絵のキッチンタイマー。そして、A4サイズクリップボードです。


店内でのブラジル人客のリアクションを見ていると、新しい品の発見やアイデア商品を見ての買い物を楽しそうにしてます。主婦はいろんな大きさのジップロック袋や小さいサイズのラップなどブラジルにはない品に注目。また簡単に掃除ができるワイーパーやほこり取り用品も便利で人気のよう。最近では事務所に軽く昼食ができるルームを設けているところが多く、お弁当を持参している人がいるため、ダイソーのバラエティー豊かなお弁当箱も注目される品です。その反面、ブラジルの生活では使用が難しい品もあります。例えば、お風呂のチェアーや手桶です。ふわふわ手袋もこの国では販売が難しいかもしれません。欠点と言えば、輸入品ということでヒット商品はすぐになくなり、次のコンテナが来るのを待たなければならないことです。


去年からはDaiso Online(ダイソー・オンライン)ができ、今のところサンパウロ州限りで配達してます。品数はまだ800点と少な いですが、これから増やしていく方針だそうです。また、現地のスーパーHirotaとの提供で、スーパーマーケット内の一角にダイソーのグッズを販売市はじめ、客の30%はダイソーの品を買っていくとのこと。現在ではダイソーの店がサンパウロ州に13店。その内7店はサンパウロ市内にあります。Hirotaスーパーマーケット内に入っているダイソーが15店と合わせて既に28店舗も開店しました。


そして最近ダイソーの競争相手と言われているMiniso(メイソウ)が先月2店舗オープンしました。R$3.00~ R$200(=約US$1~60)の品を販売。「シンプル、ナチュラル、良質」の考えなので、おしゃれで可愛いグッズがあるように思えました。
これからダイソーやメイソウが店舗を増やしていく中で、ブラジルの製品もより良くなっていくことを願います。 買い物も楽しくなりそうです!

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 年齢辰(たつ)
  • 性別女性
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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