• 2018.03.28
  • ラーメン ブーム
幼い頃の記憶で、日本に行った時に祖母がラーメンの出前を取り、それがとてもおいしかったことと、熱々の料理を日本では配達するのだと感激した事があります。おいしいラーメンとの出会いはその時だったような。
ブラジルでは、インスタント・ラーメンが作られ、販売され始められたのが、1965年です。当時は明星食品が出していたことから、インスタント・ラーメンの事をブラジル人は「miojo」(ミオジョと発音)と言ってました。価格が安くて簡単にできることから、こちらでもすぐに人気もの。それからというもの、どのスーパーでも簡単に見つかる品になり、また、どの家庭でも「miojo」が必ず棚に入っているようになりました。2013年の世界のインスタント・ラーメン消費量のデーターを見ると、ブラジルはなんと10位です。そして、ブラジル人の好みのラーメンは、麺が柔らかくて、地鶏味が一番人気とのこと。確かに味噌味や醤油味は、ブラジル料理には入ってませんので、好まれないのかもしれません。
10年以上も前に東洋人街にラーメン屋Askaができ、自家製の麺を作っていることで客を集めました。インスタント・ラーメンの味しか知らなかったブラジル人や日系人が、日本の本格的なラーメンだと、今でも行列が絶えることなく繁盛してます。この店は味も良く、安いことで人気です。


2006年にサンパウロ近郊にある、Moji das Cruzes の街にMNFood 会社がラーメンの麺を作り出してから、居酒屋や日本食屋でおいしいラーメンが食べられるようになりました。2015年には、サンパウロ市にShinkiという麺製造社ができ、人気日本食店に麺を提供してます。 2016年5月にオープンしたJojoラーメン店は、東京都のラーメン店のオーナーを呼んだことで注目を浴びました。彼は、日系の農家を訪ね、麺をはじめ、醤油、味噌など、ブラジルの食材を使って日本で出しているラーメンと同じ味を出すことを実現しました。開店直後は2時間待ちという大人気。約2年後の今でもオープン前には数人が並んでます。


Jojoラーメン店がヒットしてからというもの、次々にラーメン店が開店し、サンパウロは、まさにラーメン ブーム真っただ中です。すでに10店舗以上あります。また、牛丼屋で知られている「すき屋」も10店舗以上あるのですが、こちらではラーメンも扱っており、人気のようです。
ブログやインスタグラムなどで、店のラーメンが紹介されるので、早く食べてみたい気持ちが高まるのでしょうか、どの店も繁盛しているようです。
日本でラーメンと言えば、安くて早く食べられる、ちょっとファーストフード的なイメージがあります。しかし、こちらでは違います。ブラジル人は食事をゆっくりとることが好きであり、また、習慣になってます。昼食時は職場の人と、夕食は家族や友人と、レストランでゆっくり食事をするので、ラーメン店でも同じです。日本人がこだわる、「麺がのびる前に食べる」は関係ないようです。
客が店の中にいる時間が長いということで、どこのラーメン店も家庭的な雰囲気よりも、モダンでおしゃれな店が多いように思えます。この点ではブラジル人の好みに合わせているのでしょうね。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 年齢辰(たつ)
  • 性別女性
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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