150年以上にもわたってコーヒーの生産量が世界1位のブラジル。2016年の生産量は3,019,051トンで、全世界コーヒー生産量の30%を占めてます。その80%が、エチオピア原産のアラビカ種です。コーヒーがブラジルに導入されたのは、1727年。ブラジル北部のパラ州で栽培されましたが、気候が合わず、約30年後にはその栽培をリオ・デ・ジャネイロ州に移します。そこでは急速にコーヒー栽培が盛んになり、後にサンパウロ州、パラナ州とミナス・ジェライス州へと広がります。1850年には世界で生産量第1位にランキング入りします。「ブラジルと言えば、コーヒー」納得する気がしますね。
ブラジルでは、水の次に消費される飲み物はコーヒーです。全家庭の98%にコーヒーは存在するのです。そして、レギュラーコーヒー用の粉が主です。州によっても好みが違うようで、リオ・デ・ジャネイロ州ではレギュラーコーヒー、セアラ州ではChafé(Chá=お茶と café =コーヒーを合わせた言葉)が好まれているそうです。お茶のように薄いコーヒーの事です。サンパウロ州では、エスプレッソです。
こちらのスーパーマーケットでも主に販売されているコーヒーの粉はレギュラーコーヒー用です。インスタントコーヒーの粉やエスプレッソ用のカプセルのもあります。
外国の自動販売機に多い、リキッドコーヒーは流行っていません。缶コーヒーは冷たいのも暖かいのも存在しません。こんなにトロピカルな国なのに、ブラジル人はアイスコーヒーを飲まないのかと、良く聞かれます。こちらでは、コーヒーは熱いのを飲む習慣になっていて、アイスコーヒーは考えられないようです。しかし、Starbucks やNespresso のお店がこちらでもオープンしてからは、アイスコーヒーを試しに飲む人も増えたようです。サンパウロ市で有名なコーヒーショップでも、夏にはアイスコーヒーをトライするよう呼び掛けてます。
最近の傾向として、グルメコーヒー、オーガニックコーヒーなどと色んな種類やテイストのコーヒーが販売されてます。輸入品のコーヒードリッパーセットや、コーヒーカップも販売されるようになり、こだわりのよりおいしいコーヒーを家で入れることもできるようです。
そして、コーヒーショップがとてもおしゃれになりました。コーヒーの種類や入れ方の説明をしてくれるところもあり、いつも楽しみです。
面白いことに、一般のレストランのデザートにコーヒーゼリーもコーヒーロールもありません。コーヒー味のアイスクリームも限られた店にしかありません。このようなデザートが食べたい時は、日本料理店に行くか、自宅で作るしかないのです。
サンパウロ市で、コーヒーショップで、エスプレッソ・コーヒーをオーダーしますと、お店によって、少量のクッキー、アイス、チョコレートなどがついてきます。そして必ず、スパークリングウオーターがショットグラスに入ってきます。スパークリングウオーターを最初に飲み、口の中をすっきりさせることで、コーヒーの味が引き立つのだそうです。コーヒーをよりおいしく召し上がるための気遣いですね。
コーヒーの訳はcafé(カフェ)ですが、ブラジルでは、コーヒーは小さなカップに出されるため、cafezinho(カフェジンニョ)と呼んでます。
Vamos tomar um cafezinho!(=コーヒーを飲もうよ)と、コーヒーを飲みたい時にはもちろん、ちょっとお話がしたい時にも使うフレーズです。
Tome um cafezinho(=コーヒーを飲みなよ)は、ちょっとお手伝いしてもらって、少量のチップをあげる時に使うフレーズです。
それでは、Vamos tomar um cafezinho!