• 2020.04.30
  • Fique em casa (家にいなさい)
今年に入ってから、コロナウイルスのニュースが徐々に多くなり、1月23日に中国の武漢が封鎖になったと聞いたものの、地球の裏側の話であり、また、2月末のカーニバル連休は毎年のように各国からの観光客が集まり、サンパウロとリオでは盛大にパレードが行われた。私の周りのサンパウロ在中の日本人駐在員の中では、日本へ出張から帰って来た夫はコロナに罹ってないだろうか。日本への出張がキャンセルになった。などと言うコメントをしているのを耳にしていました。ところが3月に入ると、新型コロナのためサッカー試合が延期になったり、13日にはリオ、サンパウロ州選手権は無観客試合になった。13日からは、サンパウロとリオの州立、市立学校は休校と定められ、私立校もそれに従うように指示されました。

18日にはサンパウロ州で4人死亡、感染者が240人。19日にはサンパウロ市は非常事態を宣言し、20日から4月5日までは商店の閉鎖を決めました。市場、食料品店、パン屋、薬局、ペットショップ、ガソリンスタンド、修理店など生活必需品関係だけが開けて良いことになる。飲食店はテーブルとテーブルの間を1メートル以上開ける事、会社はホームオフィス、学校はオンライン授業、商店はインターネット販売、スポーツジムも公園も閉鎖になります。スーパーマーケットは開いていて、買い出しラッシュは殆ど見かけませんでしたが、どこにもアルコールジェルとマスクは売ってません。スーパーマーケットでは、レジの列に入る時に前の客との間隔をあけるために床に印がされました。レジには店員と客との間にパネルが置かれました。


アルコールジェルは普段から飲食店の入り口においてあり、私も前から小さい入れ物に入ったアルコールジェルを持ち歩いてます。マスクは医師や看護婦の他に病気の人が使うだけです。他国では風邪をひいて咳やくしゃみをしている時に他の人に移さないために使用していますが、ブラジルでは冬も厳しくないせいか、マスクを使用する習慣はありません。新型コロナウイルスの感染症対策として手洗いを徹底することが言われ、テレビでもインターネットでも正しい手洗いの仕方をみせてます。ハッピーバースデーの歌を2回歌う長さで洗うことなどです。日本人の友達に、「ブラジル人は正しい手の洗い方を知らないの?」と聞かれたりもしました。そういえばこっちの小、中学校は給食がないためなのか、親が子供に手の洗い方を教えるのであって、学校では習わないかもしれない。ってふと思ったりもしました。
マスクは医療に関わった人達が使うのであり、マスクが少ないため、この時点では感染症対策としては使わなくて良い。と報道されました。
3月24日からは、全ての飲食店が閉鎖となって、デリバリーオンリーとされました。こちらではスーパーマーケット内などでもコーヒーが飲めたりしますが、開いていても店内での飲食は全て禁じられました。


こんな状態がいつまで続くのか、との不安を持ったまま過ぎた2週間。4月5日にはこの状態がまた2週間延期になり、州知事がとにかく”Fique em casa”( 家にいなさい)と伝えてます。サンパウロ市内のサッカースタジアム、パカエンブーが仮設病院になり、202人の感染者を受け入れる態勢をとってます。サンパウロ州知事と市長が対策を組んでいる反対で、ボルソナロ大統領は経済への影響を理由に消極的な姿勢をとっているため、対立しています。サンパウロ市では、夜8時半になると鍋たたきが始まります。これは政権への抗議行動です。「ボルソナロ、出ていけ!」と叫ぶ住民も多いです。

4月12日、ブラジルで死者1,223人。感染者確認数22,169人。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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