• 2021.05.06
  • コロナ禍の最も危機的な時期に突入
3月10日にブラジルでコロナ禍による1日の死亡者数が2000人を超えた事を知ってから1カ月後には一日の死亡者数が3000人を超えました。事実であるのだろうかと疑う程のこの数字に心が痛みます。






(写真はブラジルの5地域別で各州の集中治療室の使用パーセンテージを表してます。4月12日)

3月末には首都ブラジリアを始め、他の16州でUnidade de Terapia Intensiva ( UTI =集中治療室)の使用が90%を超えている状態でした。今もなお同じような状況です。
実際に最近では自分の周りでも新型コロナにかかった知人がいて他人事ではありません。私も以前よりも出かけなくなった気がします。勿論サンパウロ州は、3月末から3週間程緊急事態フェーズに入り、色んな制限がされました。午後8時から翌日の午前5時までの外出禁止の他、屋内だけではなく、屋外でのマスク着用も徹底され、薬局、スーパー、パン屋など必須産業の営業時間は午後8時までとされました。他の店ではサイトで品物を購入し、ドライブスルー扱いに制限され、公園やビーチは利用禁止となり、スポーツ活動、宗教行事、集会活動が禁止となりました。会社や学校はオンラインだけに。午後8時過ぎても街がガランとするわけではなく、10時頃にならないと静まらない。ニュースでは、サンパウロ市中央部の周辺では街を行き来する人で多く、マスクを着用していない人もまだいます。リポーターの人がマスクを使用していない女性に、その理由を聞いてみたら、カメラの前で、「死ぬのは私の勝手でしょう?」と答えた。中にはマスクの必要性もワクチンの接種も全く信じない否定主義者もいます。緊急事態で夜は誰も外出していないと思えば、それは間違いのようで、サンパウロ州では警察が違法パーティーの取り締まりをし、その数は2月末から3月末までで716件以上だとか。違法パーティーに参加している若者達は、ただ友達と飲んで踊って楽しんでいるだけと言う。その若者たちの周りでもコロナに罹ったり死亡した人もいる。それなのになぜ? 
ボルソナロ大統領がコロナ禍の対策を厳しくしないため、規制に従わない国民が多いこともあります。その他にCとDクラスの人たちは今を生きる、今日働いて儲けたお金で今日食べる。というのが現実で、世界で起こっていることにあまり耳を向けずに生活しているのも本当です。その上、去年は若者が新型コロナに罹っても危険性が少ない事が言われた事も原因かもしれません。
外出をできるだけ避ける、仕事はホームオフィス、学校の授業はオンラインで、と言ったところでブラジルは発展途上国です。貧富の差が大きく、仕事をしなければ食べていけない国民が多いし、コンピューターを持っていない人もいます。(2019年の調査では、国民の26%がインターネットへのアクセスがないとの事)狭い家に何人も一緒に住んでいる家族もあります。国からの援助金と言っても食べていくには足りない額です。国土は広く、人口も多く、このようなパンデミックの状況を対処するには難しいです。
ワクチン接種をなるべく早く打つことが重要であり、今年の1月末よりワクチン接種が90歳以上の高齢者や医師、看護師から始まり、現在は60代前半の人々に打ち始めてます。5月からは50代の人々へとゆっくりめのペースですが進んでいます。ワクチンだけではなく、早々に新型コロナのウイルスの増殖を阻害する薬ができることを願うばかりです。

皆様もどうぞお気をつけてお過ごしください。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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