• 2023.09.19
  • パンタナールで興奮しっぱなし!(続)
世界最大級の熱帯性湿原、パンタナールに行ってきました。ブラジルの西部にある、マット・グロッソ州に入り、パンタナールの縦断道路(トランスパンタネイラ)を145km走り、終点のPorto Jofre (ジョフレ港)に到着しました。トランスパンタネイラを走っている間は以前にも見たこともない鳥を多く見たり、ワニや蛇もいて、ドキドキ、ワクワクでした。
Hotel Pantanal Norte に到着して、翌日は自然の中にいるジャガーを見に行くジャガー・サファリ・ウォッチングです。マット・グロッソ州とその南にあるマット・グロッソ・ド・スル州との境にクイアバ川があります。ホテルの敷地から見えるのはクイアバ川であり、そこをスタートして、川を上がったり下ったりするのです。



当日の朝は興奮して早起きしました。6月末でしたので、シーズンが始まったばかりなのと、今年は3月まで雨量が多かったことで、ジャガーがあまり見れないのではないかと言う心配もありました。ジャガーは草むらの中からワニを狙いに川岸に姿を現します。その様子を見に行くのです。主人と私は事前にホテルで予約していた4人乗りのモーターボートでスタートしました。操縦士は30年程このホテルで勤めているベテランです。操縦しながら左右へと視線を向け、ジャガーを探します。イグアナ、木の幹についている小さなコウモリ、近くを飛ぶ鳥たち、ボートのすぐ近くを泳いでいるワニなどを写真に収めるのはなかなか忙しいです。




観光客を乗せたモーターボートは何隻も川に出ているので、操縦士同士がラジオで連絡を取り合っています。1時間程すると、ジャガーが現れた情報が入り、操縦士はその場所へスピードを上げて向かいます。1頭目のジャガーは遠くてあまりよく見えませんでしたが、草が動くのがわかるので、移動しているのがわかります。ジャガーをもっと近くで見れますように、と願いながらまたしばらく川を走ります。2頭目と3頭目は川岸を歩いていました。顔だけが見れたり、身体の一部が見れたりで、ジャガーを見たものの、もう少し近くで見たいと、希望がつのるばかりでした。ホテルに戻って昼食をした後、またボートに乗って出ます。午後の方がジャガーが現れると聞いてボートに乗っている間、自分もキョロキョロします。そんな時に、ラジオがなり、ボートは猛スピードで移動します。「急げ!走れ!」と心の中で叫ぶ自分がいました。すると目の前に見えたのが、大きくてかっこいいジャガーでした。集まった全てのボートはエンジンを止めて、観光客は大きな望遠レンズをつけたカメラや携帯電話でひたすら写真を撮ります。皆無言でひたすらジャガーをみています。木の枝で優雅に寝ていたジャガーがゆっくりと立ち上がり、枝の上を歩いてワニを狙って川に飛び込むシーンを見ました。他にも川岸を泳いでいるジャガーもいました。午後は4頭ほどそれぞれ違う場所でしっかりと見れました。ジャガーは体格が良くて本当にかっこいいです。



午前と午後で8時間川を上がったり下ったりするのですが、アッと言う間に時間が過ぎました。自然の中にいる動物や鳥類はどれもが生き生きとしていて美しいと思いました。



その日の夕食時にはホテルのオーナーたちとパンタナールの話で盛り上がりました。しかし、話を聞いているとパンタナールでも色んな問題が発生しているのがわかりました。大湿原といわれているのに、大干ばつによるとても深刻な水不足になったり、2020年後半には大火災が発生して約3万9千平方キロメートルが焼失した事などです。当時ニュースで情報を得ていましたので、再び現地の方の話を聞いて心が痛みました。確かにトランスパンタナールの道中でも、火事の跡がまだ残っているのを見ました。火災は毎年起きるそうです。


自然が再生している力に感謝し、生き残ってくれた動物たちをこれからも守って欲しいと願いました。
貴重で感動的な体験ができましたので、パンタナールを離れるのは悲しかったです。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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