• 2024.09.26
  • 気になるルーペの表示
最近市販の菓子や食品を買う時に目にする表示があります。


それは容器包装の表側面にあり、含有量を示す表記だそうです。国家衛生監督庁(ANVISA)によって2020年に公布され、2022年10月9日から施行されました。基準量以上に添加糖類、飽和脂肪酸、そしてナトリウムが含まれた場合に「Alto em açúcar adicionado, Alto em gordura saturada, Alto em sódio」と表示することが義務付けられました。Alto とは高いという意味です。
基準量は下記の通りです。
添加糖類(g)  固形(100g)≧15、液体(100g)≧7.5
飽和脂肪酸(g) 固形 (100g)≧6、液体(100g)≧3
ナトリウム(mg)固形 (100g)≧600、液体(100g)≧300


容器包装の裏側にはいつものように栄養成分表示があり、以前と変わった4点は、総糖類量と添加糖類量の表記がされること、分折単位を固形の食品に対しては100グラム、液体の食品に対しては100ミリリットルに統一すること。1日当たりの摂取量におけるその食品の割合(%VD)を示すこと。また、複数の商品が梱包されている場合はその個数と重量を表記することです。

この表示の変更が行われた理由として、消費者の40%が栄養表示が理解しにくいと感じたからです。表示文字が小さくて読みづらいことや、表示を見て計算する必要がある事などがあげられたそうです。そこで、国家衛生監督庁(ANVISA)は、食品の栄養表示を統一することと、文字がはっきりして読みやすいようにすることなどを重視しました。


商品の表側にルーペの絵と共に記載してある基準以上に含まれている添加糖類などのマークは、消費者の目が直ぐに行くところに印刷されています。
表側のルーペの絵は肥満、高血圧、脂質異常症など各国での健康問題となっている症状を減らすためです。この様な表示はオプショナルとして様々な国で実施されてきていますが、2016年に初めて義務付けたのがチリ共和国だそうです。後にウルグアイ、ペルー、そして2020年にはメキシコもです。
ブラジルでは最近義務付けられた事ですので、この効果は数年後にしかわからないそうですが、成功するにはこのルーペの絵を義務付けるだけではなく、ルーペの絵が付いた食品の宣伝や広告を減らし、できればそういう食品を無くしていくこと、このような食品にはより高い税金をかける事、また学校では生徒たちに栄養関係の教育に力を入れていくことなど、色んな面での動きがなければいけないようです。
絶対にルーペの絵がついている食品を食べてはいけないという意味ではないと思います。でなければ市販の殆どのスナックや菓子が無くなってしまいます。食べる量と頻度を減らすことだと思います。そして、健康を維持するためにより良い食品の選択をするきっかけとなっていくのが目的でもあるのでしょう。

実際にスーパーマーケットで買い物をしていると、手に取る品の多くにルーペのマークがついているので、気になってしまいます。いくつか減らした方が良いと思い、棚に戻すこともあります。
皆さんの国でも、この様な表示がありますか? 気になりますか?

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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