• 2025.11.19
  • Casa Bradesco
Casa Bradesco とは2024年の9月にオープンした展示場のことです。


サンパウロ市の産業と文化の大通りとして知られているパウリスタ大通りのすぐ近くに位置します。Casa Bradesco は Cidade Matarazzoの敷地内にあります。この敷地にはローズウッド・サンパウロホテルも2022年に開業しています。
Cidade とはポルトガル語で町という意味で、複合建設が行われているこの敷地は、フランシスコ マタラゾ(1854-1937)の所有でした。一代で手掛ける貿易、繊維、食品などの企業は300社を超えたといわれています。当時、マタラゾ財閥を知らないブラジル人はいなかったでしょう。しかし1980年に和義申請をし、倒産しました。
この敷地内にはHumberto Primo病院がありました。マタラゾ病院と当時の人々は呼んでいました。1922年にはSanta Luzia チャペルを建て、1943年には産婦人科院を建設しましたが、結局半世紀後には維持していくことができませんでした。
1986年に歴史遺産防衛評議会(CONDEPHAAT)は、 この複合施設を歴史遺産に指定しました。その後20年ほど閉めたままになっていましたが、2015年にこの敷地内でロックフェスティバルを開催した後すぐに、改装が始まったそうです。

この歴史的建造を利用して誕生したのがCasa Bradescoです。その面積は5千平方メートルで、Aqui (ここ)、Ali (あっち)、Acima(上)と Abaixo (下)と名付けられた4つの空間があります。大きなスケールのオブジェを置くことが出来ます。


先月に初めてCasa Bradescoに行ってきました。入口の歩道には大きなゴムの木があり、この敷地の歴史をすべて知っているかのようでした。



中に入ると美術に関しての本屋があります。気軽に本を手に取って見れる感じの本屋です。この建物自体は病院でしたので、当時の建築に多い縦長の窓が並んでいました。病院だった雰囲気が残っていました。建物に入るだけでドキドキでした。

展示はフランス人アーティストEva Jospinの作品でした。Chambre de soie(シルクの部屋)は植物や幻想的な風景画がインドのムンバイにあるチャーナキア工房とその学校の生徒たちによって刺繍され、素晴らしかったです。高さ3.5メートルで長さが107メートルの作品は写真には収まりませんでした。いろんな刺し方で刺繍されているため、近くで見てもその細かさに驚きます。



そして、巨大な段ボールを使用しての作品も晴らしかったです。Selva(ジャングル)のインスタレーションは木材、段ボールと繊維などの素材で作成されていて、ジャングルの中の木々の様子を細かく表現していました。段ボールを使用するアイデアもすごいと思いました。
このような大きなインスタレーションを見たことがなかったので驚きました。とても印象に残りました。

Casa Bradescoの外側はローズウッドホテルの庭の一部とつながっていますので、少し散歩してみました。樹齢150年のオリーブの木がきれいに並んでいました。まだ改装中の場所もありましたが、庭がきれいに手入れされていました。チャペルの後ろ側が見えました。実は改装している時、このチャペルの地下が30mも掘られ、60mの大きな8つの柱でチャペルを支えていたそうです。チャペルの地下には映画館やイベントホールが造られたとのことです。すごい規模の工事ですね。



これからもCasa Bradescoでの展示を楽しみにしたいと思います。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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