• 2019.10.15
  • オーストラリアの作業服
日本の工事現場の人の作業服は紺やグレー、ベージュなど比較的地味な色ですが、オーストラリアの建設、工事現場で働く人達は蛍光の黄色やオレンジ、ピンクなどの派手な作業着を身に着けています。この作業着は英語ではHigh Visibility Shirt(高視認性シャツ)と言い、短縮して Hi-Vis と呼ばれています。これらは派手でかっこいいから着ているなどの理由ではなく、安全のために蛍光色が入ったものを着ることが法律で義務付けられているのです。日本でも警備の方が蛍光のベストなどを着用していますが、オーストラリアでは建設、工事現場作業員もHi-Visの作業服を着なければなりません。建設、工事現場以外でも道路工事はもちろん、工場内でフォークリストを使う作業員なども同様です。水道の配管工や塗装業者などは義務付けられてはいませんが、もちろん蛍光色作業着を着ても構いません。このHi-Visを着用する一番の理由は安全のためで、派手で視界に入りやすく、よく見えたほうがより事故を防げるからです。確かに曇りの日や薄暗い中でグレーや紺色の作業服を着ているより、蛍光色を着ているほうが遥かに目立ちます。ただ全身蛍光色を着用する必要はなく、紺色や黒をベースに蛍光色が入っているデザインのものが大半です。またオーストラリアではユニフォームがある会社もありますが、安全基準を満たしている服装であれば会社のユニフォームを着なくてもいいのです。ですので、他の会社で働くことになってもHi-Visの服や安全靴、ヘルメットなど一式揃っていれば新しい会社のためにすべて揃える必要もありませんし、会社側も必ず会社支給のものを着てもらうとうルールにしているところも少ないかと思います。これは従業員がすぐ辞めてしまったり、転職の比率が高いオーストラリアならではのことだと思います。もちろん、会社の宣伝も兼ねて胸元や背中に会社名や会社のロゴが入ったHi-Visもありますが、プレーンなデザインのものはターゲットやKマートなどの日用品店で購入することができます。ちなみに実際に販売されているものは下の写真のようなものです。


Kマートで売られているHi-Vis作業服

ランニングタイプのものから襟付きのポロシャツタイプ、長そでや、ウィンドブレーカーなどがあります。色も蛍光黄色以外に、オレンジや、写真にはありませんが蛍光黄緑やピンクなどもあります。色の配置も様々で、中にはほぼ全部が蛍光色の長そでや全部黄色の派手な長ズボンもあります。そして、Hi-Vis以外の作業服で、日本では見慣れないものは男性の半ズボン作業着姿ではないでしょうか。日本では男性は必ず長ズボンを着用すると思いますが、オーストラリアでは職種によっては半ズボンの着用も認められています。私の家をメンテナンスしているオーストラリア人のおじいちゃんも一年中半そで半ズボンに安全靴というスタイルです。公共バスの運転手やホームセンターの店員のおじさん、芝刈りやガーデナーの人、水道の配管工員、電気屋さんなど皆半ズボンを履いています。オーストラリアの大手作業服販売チェーン店RSEAが大工や建築者などにどのくらいの丈の半ズボンを履きたいかというアンケートを取ったところ、約60パーセントの人が短ければ短いほうがいいと答えたそうです。男性のファッションでもショーツは短めでタイトなシルエットが流行っているのでその影響で短くてタイトな半ズボンが作業服でもトレンドなのかもしれないですね。実際にそのニュースの記事には今風の(笑)若い大工の作業員がワンサイズ小さいのではないかというようなタイトで短い半ズボンを履いて腰袋を付けている姿の写真が掲載されていました。日本の6倍以上と言われている強い紫外線の中で働く際の紫外線防止対策も安全基準に含まれており、ヘルメットをかぶらなくていい職種で屋外で作業をする場合は麦わら帽子やつばの広い帽子をかぶり、必ず日焼け止めを塗ってサングラスをかけます。日本の方から見たら、半ズボン履いて、サングラスかけて麦わら帽子かぶって仕事?とびっくりしますよね。でもこの格好が陽気なオーストラリアの雰囲気とあっているのではないでしょうか。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 年齢丑(うし)
  • 性別女性
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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