• 2019.12.10
  • オーストラリアで通信教育:その3
Accounting &Bookkeeping (会計、簿記)の資格を通信教育で取得するための勉強も順調に進み、途中仕事が忙しくなった時は勉強するペースを落とし、無理のないように進めていきました。通信教育の良いところは好きな時間に好きなペースでできることです。そして、苦手な科目があれば一旦保留にして気分転換も兼ねて他の科目を進めてくこともできるのです。生徒達が投稿できるフェイスブックのグループページを見ると私の苦手だった科目が他の生徒達も同様に苦手だったらしく、課題についてあれこれと質問をしたり私のように後回しにしている人もいるようでした。苦手な科目を残し残りは最後の2つの大きな科目のみ。この2つの科目はウェブサイトでの20問の問題と、アサイメントの提出、そしてSupervised Examinationという監視人のもとで行う3時間の試験がありました。通信教育なので試験は学校まで出向くことはせず、家や会社、図書館などでできるのですが、本人が試験を受けているという証拠の為、監視人のもとで試験をする必要がありました。この監視人は誰が行っても良いわけではなく、受講している学校のスタッフ、もしくは会社勤めの方なら会社の経営者や会計士、経理課、人事課のマネージャーなどが適用され、その他国家資格の教師や図書館員、牧師、Justice of Peace (通称JPと呼ばれる治安判事のことで、法的書類に証人として署名をしたりする人)、医者、弁護士、警察官、会計士などと決めれらていました。監視人の条件は学校や受講しているコースが異なっても国が定めた規定で統一されています。知り合いにこの条件に当てはまる人は少なからずいるけれど3時間の試験の監視を頼むのも何だか気が引けるし、会社の上司も忙しいので私はこの学校に有料で監視人をしてもらうオプションを取りました。スカイプを使って私が試験をしている様子を監視されることになります。$90かかりますが3時間もの長時間ですし、先生たちのお給料だって安いわけではないですから妥当な価格なのかもしれません。休憩なしの3時間もの長い試験なんて今までしたことがなく初めてのことです。今までのアサイメントの問題も教科書に載っていない事も出ていたので、どんな問題が出るのかも見当がつかず不安になりましたが、フェイスブックページでこの試験を終えた生徒が、実際は3時間もかからないとか、だいたい1時間半、2時間くらいで終えれる、問題に関しては、パソコンを使っていいから答えが教科書に載っていない場合はGoogleで調べれば大丈夫などとコメントしてくれていたので助かりました。80%以上の回答率で試験をパスすることができるのですが、もし不合格だった場合は再度試験を行わず、間違えた問題だけ再提出すればよいとのことでした。試験の予約は最短でも2週間先でないと取れなかったので、とりあえず2週間後で予約をしました。試験の日時も決まり、いよいよ試験当日。何の連絡もないまま、開始時間の5分前になって突然学校側から準備はいい?とスカイプでメッセージが入りました。返信するとスカイプでテレビ電話をかけてきてくれました。監視をしてくれるのは学校の受付、事務担当の女性で申し込みの際に何度かメールで連絡を取ったことがありました。カメラで彼女の顔が写ると想像してた人とは違い、鼻にピアスを付けた金髪と紫色の髪のかなり派手な若い女性でした。「今から試験問題にアクセスできるようにするからアクセスしたらそこから制限時間は3時間、何か問題などあったら言ってね」とかなり事務的にあっさりと説明されいよいよ試験開始。試験中、スカイプのカメラに写るその女性のことが気になったのも最初のうちだけで、問題を読み進めると意外と時間がかかりそうなものばかりで、3時間で終えられるかと焦りも出てきたのでとにかく問題を解くことに集中しました。途中スカイプが切れてお互いの顔が見れなくなってしまいましたが、「試験が終わったら連絡して」、と彼女からメッセージが送られてきたので、そのまま監視カメラは作動しないまま試験を続けました。さすがオーストラリア、こういう所が適当で助かります(笑)。これがもし見た目も厳しそうな先生にずっと監視され続けていたらその方が緊張していたことでしょう。ある意味この派手な若いお姉さんが担当で良かったのかもしれません。2時間半ほどで終わりましたが、試験の結果は80%を下回ってしまい、再提出となってしまいました。2つ目の試験も前回の女性が監視をしてくれました。今回は一通りの問題を終えた後、何度も答えの見直しをしていたら時間切れで試験問題にアクセスできなくなりましたが、今回は無事一時通過することができました。予約をしてから2週間、ずっとこの試験のことをどこかで考えながらもやもやと過ごしていたので、終わったときの気分は最高でした。これでもうほぼ終わりが見えています。残すのはあと2つの科目だけ。アサイメントの再提出も最高3回までなので、3回目の提出前に何度もメールで先生に質問をして、何とか最後の2つの苦手科目も無事終わり、コース修了の認定証が送られてきました。結局私は7か月でこのコースを修了することが出来ました。仕事や家事、育児をしながら勉強している人の中には1年でも終わらず延長申請をしている人もいるようなので、1年以内で取得できたのも会社の協力があってのことなので会社の上司にも感謝しています。学校を卒業し、働きながらも勉強している人が多いオーストラリア。残業もほとんどなく、国からの学費の補助もあるので勉強しやすい恵まれた環境であることがありがたいです。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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