ポルトガルでは祝日ではないのですが、スペイン語圏ではLos Reyes Magosと言い、前日の5日の夜から大々的に祝う日となっています。
三賢者とは、キリスト誕生時に、東方から贈り物を捧げてにやってきた3人の博士・賢者のことです。新約聖書にも登場しますし、キリスト誕生をテーマにした絵画にも描かれている事があります。そして、カソリック教圏でクリスマスの季節になると飾られるプレゼピオ(キリストが誕生したシーンの馬小屋の模型)にも必ず飾られていますので、ご存知の方も多いでしょう。
スペインでは3人の賢者はそれぞれ、Melchor(メルコール)、Gaspar(ガスパール)、Baltasar(バルタザール)と言います。 メルコールはペルシアの王、ガスパールはインドの王、バルタザールはアラビアの王とされているますが、スペインの祭りではこれらの王は、それぞれ順番に、ヨーロッパ、アジア、アフリカと異なる大陸を代表しているそうです。
三賢者はラクダに乗って、すべての子供達の家に寄って贈り物を届けるとされていますが、それはまるでトナカイに乗って、一夜のうちにプレゼントを配るサンタクロースのようです。
ですが、三賢者が乗るラクダは空を飛ばないですし、彼らはサンタのようなおかしな格好をしていないので、よっぽど歴史的真実味があるように思います。
東方からやってきた賢者たちが、キリストに贈り物を捧げたという事にちなんで、今では世界の子供達に贈り物を配っているとした方が、ストーリー的に綺麗ではありませんか。
ただし現在スペインでは、問題とするかラッキーかは別の話として、クリスマスのサンタクロースも取り入れるようになってますので、子供達は2週間のうち2つも特別なプレゼントをもらうことになるのです!
さて、ポルトガルにいるのにLos Reyes Magosの内容を書いた理由は、実は主人がスペイン人でして、週末に義姉と一緒に子供達(従兄弟同士)をスペインの実家に連れて行ったからです。
5日の夜にCabalgatas(カバルガタス)というパレードで、集まった民衆に向けて賢者たちが飴を投げる伝統があります。それをうちの子供達は初めて体験しました。
息子は飴欲しさに、混雑の中を賢者たちの乗る山車と同時に移動していました。そして最後に、広場で賢者たちを近くで見る事ができ、興奮していました。本物の王だと思ったらしく、しきりに写真を撮ってくれと言われ、母親も大変です!
年上の長女は少々冷めていましたが、それでも従姉妹たちと一緒にいれたことを喜んでくれました。そしてそんな子供達を見て、私も嬉しかったです。
私たちはキリスト教徒ではありませんが、宗教関係なくこうした伝統は、心を暖かくしてくれる魔法です。
私は、来年から、ポルトガルにいてもLos Reyes Magosを我が家で祝おうか、企んでいる最中です。