• 2020.06.23
  • COVID-19 段階的暖和計画
先月に続いてコロナの話題。
「災害事態宣言」は延長されたものの、今は規制緩和計画第3期へ移行が決定し、国内移動が目立つようになった。

自分の気持ちは、「うまいもん食べて免疫つけよう」から「外から戻ったらきちんと手洗いしなくちゃ」から「自分が感染るより、むしろ人に感染させる方が恐怖」と移動して、今では緩和状態どころか緩みまくり。過去の出来事かのように感じる。


この国は、慎重な措置が国レベルだけではなく、学校でも凄まじいスピードで変化があった。
イタリアで新型コロナ感染が拡大した3月、娘の学校では毎日2回体温を測るようにと先生から説明があったと言う。その数日後、話し合いが行われるとの連絡が学校からあり、そのまた数日後から全国で学校が休校になった。
直ぐにアプリやらクラウド上のプラットフォームを通じて課題が出され、最大週2回ほどオンライン対面型授業が行われる。その頃、国の方針で公立の学校は、9月の入学まで3学期休校と発表され、タイムリーにも2週間のイースター休みに入った事で、その後の授業の準備ができることととなった。
もちろん学校によってやり方の違いはあるだろうが、全国共通してできたのが、TV授業である。日本で言うNHK番組が丸々、COVID-19の間の学習ツールとして発足した。月曜日:●時~▷時 1~2年生社会、火曜日:◆時~◽︎時 1~4年体育、といった風に1週間スケジュールされ、それに合わせて生徒は学ぶと言うスタイルだ。
クラスのzoomを利用したオンライン授業の導入も直ぐだったし、習い事の先生の対処も待つ事なく進められ、娘のサーフィンレッスンですら、筋力運動やプロのサーファーインタビューや、波についての講義が画面通じて行われた。
機械苦手、ガラケーしか使えないなどと言うレベルは問題ではなく、可能性が一番高い方法で、授業を続けるのは当然のという認識で、実際デバイス操作が不得意な人の為、ITサポートのような窓口も学校に設けられたらしい。

イースター休み中、公立図書館や博物館などのパソコンを収集し、オンライン授業を受けるデバイスがない家庭に貸し出し、インターネットは国・市が手配。収入が少ない家庭のために、給食も通常よりも安いコストで、直ぐに始まった。

何もかもがスピーディーに行われたので、その流れに追いつけず、振り回されたのは親の方だ。



さて、ポルトガルは5月の初めから段階的緩和計画が発表され、社会的距離を保ちながら、活動制限を段階的に解除する方針が定められた。
その段階的緩和計画の主な内容は以下のとおり。

1.第1期(5月4日~)
・コロナ患者及び保健当局の監視下にある患者は隔離義務の対象
・一般市民による外出自粛義務
・10人以上が集まるイベントや集会の禁止
・100平方メートルの閉鎖空間の最大定員は5人。
・葬儀の出席は家族に限定。
・公共交通機関は,定員の3分の2までと,乗務員及び乗客ともマスク着用が条件。
・企業は可能な限りテレワークを継続。
・公共サービス窓口は,カウンターを分散し,事前予約制及びマスク着用を条件に対応可。
・200平方メートルまでの路面店(扉は開放したままとする),美容院,理髪店及び同類店,全国の本屋及び車販売店(店舗面積を問わず)の開店を許可(マスク着用。店舗は10時以降開店。美容院等は事前予約制,レストランの客数は定員50%まで,営業は23時まで。)
・図書館及び公文書館の開館,野外での個人スポーツの解禁(更衣室とプールの利用は不可)。

2.第2期(5月18日~)
・400平方メートルまでの路面店または店舗内の400平方メートル相当の部分(400平方メートル以上とする場合は行政区の判断を要する),レストラン,カフェテリア,オープンカフェの営業開始。
・中等教育機関(11・12学年)(日本の高校2・3年生に相当),障害者社会施設,託児所(自宅育児補助金申請も選択可)を開校・開所。
・5月30日~31日,保健当局と宗教団体の調整による宗教行事の解禁及びサッカー1部リーグとポルトガル杯開始。
・美術館,モニュメント,宮殿,アートギャラリー,展示館及び同類施設の開館

3.第3期(6月1日~)
・原則テレワークではなくグループ別に勤務時間をずらした勤務体制を導入。
・市民行政サービス拠点の利用開始。
・400平方メートル以上の店舗,ショッピングモールなどの商業施設内の店舗開店。
・託児所,就学前教育,学童の利用開始。
・映画館,博物館,講堂,コンサート会場の利用開始(人数制限を行い,物理的距離を保つ)

そしてこれらの措置は15日毎に見直しが行われ、変更になる。

コスタ首相は、緩和措置は以前の生活に戻ることを意味するのではなく、「自宅にいるように」とのメッセージが変わるわけではないと発言した。

非常に分かりやすく、国民に対してフェアな対応だと感じた。
早く普通の生活に戻れるように、食生活を見直し、衛生面に気をつけ、自分からそうした意識を発信できる存在にならねばと、身が引き締まった。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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