簡単に言えば、ロックダウン生活復帰。
1月半ばまでは、他のヨーロッパ諸国で学校が閉鎖される中、ポルトガルは依然として、対面授業を続けていた。2020年最後にアントニオ・コスタ首相はスピーチで、教育面において、3月の緊急事態宣言時と同じ状況が繰り返される事を避けなければならないと、発言した。
3月のロックダウンでは、国営TVと連携した学習をどの学校も取り組み、それは申し分ない即戦力で実行された。しかし、幼い子供は親のサポートが絶対的であり、それを得られるか否かで、子供達の学習能力にギャップが生じるのは明らかであった。
1月21日、子供達用に届いたICTセット - ラップトップ、ポータブルWifi、マイク付きヘッドフォン、リュックサック - を学校に取りに行く。国の政策で、低所得者の子供達を対象に提供したのだ。
ポルトガル政府も粋な事をなさる。
(正確には、貸し出し。学年が上がれば、それに合わせてパソコンの性能がより良いものに交換するシステムになっている。)
ICT教育の一環で学校で準備されたアカウントで、グーグルクラスルームを設定し、気に入っているゲームをダウンロードし、マイクも音声もバッチリ。画面も大きくて嬉しい。
いよいよ学校もオンライン授業再開かと思いきや、21日の閣議で決定した内容は、15日間の休校措置。しかもこの期間はイースター休みから引かれると言う。
(支給されたICTセット)
気晴らしにどこかに出かける訳にもいかず、友達と遊ぶこともできず、そもそも外は常に雨模様。命の次に大事であろうスマートフォン&タブレット手に、朝からゾンビ化する子供達の世話ババァになるのかと、クラっときたが、予想外にそれはあっという間に過ぎた。
今、子供達はまた、オンライン授業を受けている。新品のICTセットを使って。
(5年生と8年生の時間割)
今回のオンライン授業が前回の時と異なるのは、時間割が通常授業を維持している。国営TVは継続して教育番組を続けていたが、今回はそれを見る必要は無くなった。
画面を前に、しっかりと出席を取り、授業を進め、オンラインでない時間帯には出された課題をこなし、ネット上にアップして提出。マイクをオフは承認されているので、こちら側で歌っていてもバレないが、ビデオオフは、注意対象になる。他に、勉強を逃れようと、課題が届いてないやら、宿題をアップできなかったと、子供らしい言い訳が続いたが、それも数回目になると、厳しい忠告を受ける羽目になった。
肉体的な健康維持の為、体育の授業は確実にあり、我が息子も、ハードな筋トレを息を切らせながらこなしている。
そして、ほかに感心したこと。
オンライン最初の授業の日、画面見つめる生徒の中に、マスクをしている子が数名いることに気づいた。
「マルティン。オンラインだからマスクは外してもいいんだよ。」とお節介生徒。
「あらま~」コロナ期間が長過ぎて、とうとう彼らの現実が歪んできてるか?と私も他の子供達と一緒に笑っていたら、なんと彼らは、授業を受けるためのデバイスがなく、学校に通い、パソコンを利用している生徒たちだった。きっと学校の配慮だろう。
みんなが平等に授業を受けられるように気を配り、様々な工夫を凝らしてるのが本当に偉い。
ポルトガル、小国ながら、頑張っていると思う。