• 2022.02.02
  • オミクロン被害 パート1
新型コロナウイルスオミクロン株が世を騒がせた頃、その影響で私たちの生活が大変なことになっていた。

1. モモ(主人)が帰国できなくなる。
モザンビークで研究中であったモモの帰りのフライトがキャンセルになる。
すでに前の投稿でお分かりでしょうが、11月27日にアフリカ南部と欧州への渡航はオミクロン株の影響でストップされ、29日マプート発のモモのチケットは無論無効になってしまった。
別の研究でマプートにいた義弟は、旅行代理店が用意した別フライトで27日の午後にリスボンに戻ることができたのだが、保険も使えず、別購入で1000ユーロ請求された。
正式にはこのフライトがポルトガルー南アフリカ経由モザンビーク往復便最後になった。
モモは急遽ローカル便でアンゴラ経由リスボン行きのチケットを購入したが、この便にも乗ることはなかった。
ここから数日間は、ポルトガル大使館、スペイン大使館(モモはスペイン人なので)、それと空港の3点に通うことになる。それ以外の時間は健康面を考え、宿にとどまることにしたらしい。混雑の中、新型コロナウイルスに感染したら、元も子もないので。
一番早く動きがあったのが、スペイン大使館であった。大使館に現れた人々の連絡先をもとにすぐにチャットグループを作成し、政府間の交渉が進んでいることや、国民の帰還用のチャーター便手配の内容を随時報告した。
ポルトガル大使館では、訪問者の連絡先を受け取るのみであり、音沙汰なく、人々を不安にさせた。それゆえポルトガル人は、空港へ出向き、そこで集まった人たち同士情報を分かち合った。
丁度週末であったので、職員が勤務していなかったのだろうが、休日であっても国民のために迅速に仕事をこなしたスペイン大使館との差を感じずにはいられない。

月曜日になり、ポルトガル大使館も少しずつ動き出したのだが、その時すでにスペイン側では、帰還用のチャーター便が確定し、搭乗者リストも出来上がり、フライト料金の振込先情報がグループのチャットで案内されていた。
ポルトガル側は、この日は、チャーター便の交渉にかかっているという情報のみ。他、モモが得た情報として、自分が出した帰還申請のメールがなぜかポルトガル大使館に届いてないという事。再度メールを出し、登録してもらうことができた。
翌日もポルトガル行きのチャーター便の日程の連絡なし。何が起きているのかの連絡もないので、不安は残ったまま。
ポルトガルは、国のリーダー達は賢く立派な人が多いにも関わらず、下で働く人たちのレベルがこんなにも低いのか。個々の頭脳は明瞭でも、生産性が全く見出せないのが残念なところ。

とにかく、ポルトガル便が決定しないことでモモが抱える問題は、スペイン政府が用意したチャーター便の日程が迫っていること。スペインのチャーター便の到着地は当然スペイン(マドリッド)になる。するとモモは、到着日にリスボンへ出発するフライトを手配する必要がある。なぜなら一度出国してしまえば、そこからマドリッドでの14日間の隔離が義務付けられ、その間、ポルトガルに戻れないのは明白だ。
マドリッドーリスボン間のチケットが手配できず、モモは賭けに出て、マドリッド行きのチャーター便の支払い、PCR検査を受けるタイミングをギリギリに設定した。PCRの陰性証明は搭乗に必要条件。これは72時間の有効期限があるが、結果が出るのに24時間はかかるもの。高額なので、なるべく一回で済ませたい。

最終的に運が回ってきて、ポルトガル行きのチャーター便の日程が二日後に設定され、それに合わせ準備を進めることができた。
リスボン到着後、空港から出てくるまでに6時間という苦労は残ったが、無事健康に戻ってきてくれた。



モモが乗っているフライト。


リスボン空港で待つ 取材陣

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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