久々に、お年寄りを含めた家族が集まり、抱き合った。マスク着用せずに。
非日常から日常に戻りつつあったとき、困ったのが挨拶。
ポルトガルでは、お互いの頬を左右合せて(男性によっては、唇で両方頬に)キスをするのが、日本のお辞儀に値する挨拶である。もちろんコロナ禍では、その習慣が無くなった。
COVID 19がポルトガル国土に入ってきた当初は、
「水臭いわね!」
「私は平気!」
と発しながら、ウイルスをぶっ飛ばす勢いで、荒々しく抱きついてきたり、キスをされた。
コロナ感染者数が増え始めた頃から、従来の挨拶が次第にぎこちなくなり、国が推奨した、拳同士をハイタッチ的に当てる挨拶が定着した。中には、その行為に工夫を凝らしたりと、個性的なハイタッチなどを求めてくる場合もあった。
まるでコロナが嘘だったかのように感じる頃、さてはて挨拶をどうしたら良いものか、ポルトガル人の頭の上には大きな疑問符がついて回った。
「オッラァー!」と元気に挨拶し、その3秒程の間で、相手の距離感や動作を瞬時に察知し、キス? 抱きつく? それかハイタッチ? と、素早い対応が求められた。
実はこのまま、昔のキスの習慣が薄れていくのかと思っていた。それなら初めから考えずに、どの国でも通用する握手などで済ませられる。
それがこの冬、クリスマスと年越しで、共通感覚として一気にコロナ前のキス挨拶が戻ったのである。
今年も年越しは盛大に行われた。
コロナ禍の年越しでは、人々を元気づける目的か、各自地区で大量の花火が打ち上げられた。今年もそれは健在で、花火好きな日本人としては、コロナ禍によってもたらされた嬉しい一面である。
人々はここ数年の鬱憤を晴らすかのように、町の明かりを求め町に繰り出し、路地は賑やかな雰囲気で溢れかえった。
しかし、全くの規制なしかと言えば、そうではなかった。
ポルトガルの海洋局が年越しの警告を出していた。
年末年始にかけて高波警報が出ており、多くのポルトガル人が新年を祝うためにビーチや沿岸地域に行くのを見越しての警告だと思う。
久々の大イベントで、羽目を外す人を予想して、危険な行為は慎むようにとの内容で、「海でのハッピーニューイヤー、だけど潜らないで」というタイトルのビデオは、なんとソーシャルネットワーク上で公開された。
https://www.facebook.com/AutoridadeMaritimaNacional/videos/849285239712636/
「激しい海の混乱が予想されるこの時期に、多くのポルトガル人が新年の到来を祝うためにビーチや沿岸地域に出かけます。
しかし、祝うために海に入る必要はありません。」
、、、確かに。
とは言え、ここはサーフィンメッカ、初乗りサーファーの間には、普通に初海水浴チャレンジャーはいる訳で、水着一丁で浜から海にダイブする者もチラホラといるのでした。
Feliz Ano Novo!