ガソリン、電気、食料品など、生活に欠かせないものばかり。
何気なく、いつも通りの生活をしていたら、先日カードが使えず焦った。調べると銀行残高がほとんどなかったのである。ここ2ヶ月の変化を見ても10万円以上の差があり、一体この物価上昇はいつまで続くのか不安になる。
国の政策として、生活必需品の44製品の消費税(付加価値税)0%というのが4月頃から始まった。主食となる、炭水化物(パン、米、じゃがいも、パスタ)、野菜類(13種)、果物(5種)、豆科植物(4種)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)、肉・魚類(12種、うち乾燥塩鱈、ツナ缶詰、卵も入る)、油類(オリーブオイル、植物性油、バター)といった内容になっている。
スーパーに行くと、消費税0%を大々的に謳っていて、バナーやポスターがまた一段と賑やかである。更に、消費税0%の商品がセール中だと、一体どの数字を見て良いのかわからなくなるほど。
例:「ロングタイプの米 1Kg」本来なら 1,19ユーロだが、6%の消費税がかからないので、1,12ユーロ。
店頭では、このような見え方になっている。
しかし、冷静に考えてみると、なぜ対象が44製品だけであって、消費税6%対象である全ての生活必需品にしないのかが理解できない。44製品を特別宣伝していることにはなってないか?
小売業者は、付加価値税0%を利用して、より多くの利益を得るために、価格を上げないとは限らない。106円のものが消費税なしで100円になっても、小売業者は例えば105円など、100円以上に維持することはできる訳で、従って、最終的に消費者は、小売業者の利益率の向上のために資金を提供するために、より多く支払ってはいないだろうか。
そうは言っても、目前の変化をありがたく受け入れて感謝している私だが、正直、戦争が終わっても、値上がりした分のコストは下がらないだろうという考えを払いのけることができない。
他で言うと、EUの銀行利子も上昇し、ローン返済がそれまでの倍に上がった人がいるらしい。また、住宅ローン返済で首が回らず、家を手放す人も増えている。その一方、不動産業は絶えず賑やかで、自分で建てなければ売る物件もないほど。もちろん原因は、外国人。特に近頃はアメリカ人が多く、彼らにとってはポルトガル人が手もつけられない家でも、容易く購入できるのであろう。
今年、政府は、ゴールデンビザ(ポルトガル国内の不動産に50万ユーロを投資することにより得られる居住権)の発行を終了したのだが、元々ゴールデンビザ対象になるような物件は、ポルトガル人はターゲットにならないし、むしろゴールデンビザ住居者で潤っていた地元ビジネスが苦しくなるという疑問は残る。
ここ数年、ポルトガルのインフラはどんどん進み、泥臭かった街並みはお洒落に変化してきている。 ポルトガルの青い海、そして青い空。それだけでも十分だったのが、国はどんどん派手になり、その反面、ポルトガル人はどんどん貧しくなるように見える。