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  • 2023.10.26
  • 中秋の満月
今年の中秋の名月は、正真正銘の満月が見られるとして、日本では大注目だった。
夜の天気情報や日本各地の満月がテレビで映し出され、お月見モードが高まったことだろう。日本人と月との関係の深さを感じさせられた。


遠いポルトガルでは、そんなこと知る由もなく、日本の家族が何をざわざわしているのか全く理解できずにいた。
「2023年・中秋の名月は、満月と一致するのよ」と聞かされて、「当然じゃん。一体何言っちゃってんの?」と呆れていたのだ。

私は昔から、太陽よりも月が好きである。日頃夜更かしして不摂生な生活を送っている者の言い訳のようだが、事実お月見は普段からしているし、ましてや十五夜にでもなれば、気分高らかに団子まで作ってみたり。ゆえに、中秋の名月は陰暦の8月15日に出る月のことを指していることは承知していた。また、現在の暦とのズレが生じることも理解していたのだが、そのズレを勝手に、中秋の名月を満月の日に合わせた結果だと信じ込んでいた。
正解は、旧暦では、新月の日を「一日」とし、それから15日目が十五夜とういことになるのだが、新月から満月までの日数は必ず15日とは限らず、旧暦14日〜17日まで幅がある。よって、十五夜と満月のズレは、月が地球を一周する時間が一定ではないのが原因というで、旧暦の月の15日目に満月が重なることはむしろ稀であるのだ。
今年は、9月15日が旧暦の8月1日で、そこから15日目の9月29日が中秋の名月になり、丁度満月と一致したということです。これは過去3年連続で続いたが、次回は7年後になるそうです。
とはいえ、視力が弱っている今、私には、満月の前後数日間の月もまん丸に見える。今後も私にとっては、中秋の満月だ。

思い起こせば、今年はスーパーブルームーンの年でもあった。
スーパームーンとは、言わば地球と月が最も近いタイミングで満月になる月のことだ。
月は楕円の軌道を描いて、地球の周りを公転しており、月と地球の距離は、太陽や地球の重力にも影響されながら変化する。スーパームーンの時は、月は地球から最も遠い時と比べて14%大きく見えるのだが、NASAによるとその違いは、25セント硬貨と5セント硬貨の大きさの違いに匹敵するらしい。明るさに関しては30%増しだそうだ。


NASAより。

個人的には、地平線近くの月はスーパームーンに限らず、上空の月より何倍も大きく感じるので、14%という数字が果たして凄いのか疑問に思うが、明るさに関しては、納得だ。

更に、ブルームーンとは、同じ月に2回みられる月を言い、これが今年はスーパームーンの時と重なったので、スーパーブルームーンと呼ばれた。ちなみにブルームーンは、月が青く見えることとは関係ないみたいだが、私が見た月は、普段の月よりも青白く、空に浮かぶ蛍光灯のようであった。


<庭から見た スーパーブルームーン>

8月のペルセウス流星群の時期に関しても、今年は新月と重なり、星観測には理想的な状態であった。どうも今年は夜空に恵まれている年かもしれない。

次はどんな夜のショーが待ち受けているのだろうか、期待が膨らむ。


村のサッカー場から見える北斗七星

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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