• 2025.08.28
  • 腸・胃カメラやってきました
旦那が仕事のためモザンビークに発った翌日、羽を伸ばしすぎて、事故りました。
ポルトガルサッカーリーグの準決勝。応援しているスポルティング・リスボンがこの試合で勝てば、リーグ優勝という大事な試合で、みんなで観戦していました。
晴れてスポルティング優勝! 相当飲みました!
気づけばリスボンの緊急病院のベッドの上に寝かせられていました。

ちょっと気分が悪くなったからと、ガレージの手前で腰を下ろそうとした際、ガレージのスロープが急すぎてストップできずに下の卓球台に突っ込んでしまったみたいです。頭を強く打ち、急いで私を抱き上げた娘の腕はみるみる赤色に染まっていったそうな。そこでちょうど卓球をしていた息子も、床の血溜まりを見て、青ざめ、周りの友達も、どうやって私の事故死を私の旦那に伝えようかと、頭を抱えたそうです。
もちろん、私は幸い死なずにこうして文章を書いています。
頭部打撲、血溜まり、意識なし、レスキュー隊、、、と続き、その家の友達は、私が無事に帰宅するまでは証拠隠滅しないよう、掃除をしなかったそうです。

さて、緊急病院にて。
気持ち悪くてベッドで吐いた時に目覚めました。近くにいる娘と友達以外に、やばそうな人が何人も私と同じようにベッドに寝かされていました。血液検査、レントゲン、心電図などと検査が続くのですが、頭の強打だったため、ベッドに横になったままの移動しか許されず、人に頼るしかない状態に。途中トイレに行きたくなった時も、別室にベッドごと運ばれ、尿瓶でする羽目に。
友達が数人ずつ交代して付き添ってくれたのですが、どの検査も長時間待たされ、しかも記憶がゼロのため、検査に回される度に、娘が状況を全て説明することになる。
もうみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいで、早く全てを終えて、家に戻りたかったのだが、心電図の結果があまり良くなく、帰らせられないと言われてしまう。表情や態度で “すぐにでも家に戻りたい” ことをアピールしたら、専門医のセカンドオピニオンを聞いた上で、帰宅させてもらえた。
「頭痛がひどいのですが、頭痛薬を飲んでもいいですか?」
「頭痛は打撲のせいですか? 飲み過ぎのせいですか?」
「飲みすぎだと思います。」
本当に、反省いたしました。


数週間後、心電図の再検査では問題なく、一安心。今度は前々から気になっていた腸と胃の検査をすることにした。検査前が苦しいなどと周りから聞いていたので、検査すべきだと理解していても、ついつい先延ばしにしていたのだが、胃痙攣を何度か起こしたのと、父が大腸がんで亡くなったこともあり、このタイミングでやっておくことにした。

まず、50歳以上だと、事前に心電図の結果、ヘモグロビンなどの血液検査の結果が要求される。これは、麻酔に関係するらしい。
検査の3日前から食事制限が始まる。脂肪分の少ない鶏肉系や魚、白米、卵、パンなどは、食べられて、赤身の肉、サーモンなどの脂肪の高い魚、野菜類、ソーセージなどの詰め物系、ミルク、ナッツ、豆類、赤いジュースやゼリーなどは避けなければならない。
私は食べるのが大好きなので、食事制限が不安でならなかったが、普通に日本食を食べていれば、全く苦でないどころか、野菜が食べられないのを除いては、我慢している感じはなかった。


さて、みんなが嫌がる腸と胃の洗浄。これは噂通り、辛かった。
PLENVUという粉状の下剤を薬局で購入し、それを500mlの水に2回に分けて作る。
1回めはそれを15分おきに5回に分けて飲み干し、お茶や水を最低でも500ml飲む。
数時間あけて2回目は、同じように15分おきに5回飲むのだが、今度は最低でも1リットル分のお茶か水を合計飲まないといけない。
薬が甘くて塩辛いラムネのような味がして、まずいというよりも体が受け付けたがらない。口に残る味を殺すためにスイスイ水が飲めるので、最初の500mlは意外に問題なく飲めた。むしろ、気持ち悪くて余裕で1リットル以上飲んでいたと思う。
さて、2回目の下剤は、3杯目からはもう飲めない。苦しい。それでも頑張って4杯、5杯と飲み干したが、その都度トイレで中身を全部出す前に、ベッドでじっとしていないと、上から吐いてしまいそうになる。体中の管という管には水がいっぱいという状況から少しでも楽になるように、トイレでしばらくこもって、出せるものは全て出すよう力みまくった。


検査の4時間前からは、水すら口に入れてはならない。クリニックに向かい、看護師の質問に答え、麻酔医と腸と胃の検査をする医者と挨拶を交わした後は、楽であった。麻酔のおかげで、看護師に起こされた時には全て終えていた。口からカメラを入れられたせいか、喉が少々ヒリヒリしたが、それまでの辛い気持ちを考えるとなんともない。麻酔のおかげでぐっすりと寝られたせいか、逆に麻酔が少し残っていてフワフワしていたせいか、最高に満たされた気持ちだった。

最後に、腸も胃も健康でした。

特派員

  • 太田めぐみ
  • 職業修復士、通訳、コーディネーター/Insitu(修復)、Kaminari-sama、ノバジカ、他

ポルトガル在住の保存修復士。主に、絵画(壁画)や金箔装飾を専門にし、ユネスコ世界遺産建築物や大統領邸の内部を手がける。シルバーコースト近くの村で、地域に根付いた田舎暮らしを満喫している。趣味は、土いじり。

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