• 2018.06.22
  • アイス、アイス、ベイビー!
「郷に入っては郷に従え」という格言がありますが、私は、カナダに着いたらアイスホッケーを見に行くつもりでした。ところが残念無念、私がこの「メープルリーフ・カントリー」に到着するちょうど一週間前に、アイスホッケーのシーズンは終了していたのです。
アイスホッケーの試合は、それまでにも時々テレビで観戦していましたが、ヨーロッパではそこまで注目度が高いスポーツでなかったこともあり、カナダに行けばこの目で生の試合を観られるだろうと楽しみにしていました。競技そのものがスピーディで面白いだけでなく、試合の合間に登場するマスコットやダンスパフォーマンスも魅力たっぷりで、カナダではアイスホッケーはスポーツの王様なのです。


試合中のエンターテイメント

とりあえず、私が試合を観に行くことは次のシーズンまでお預けとなってしまいましたが、カナダ人のホッケー愛について同僚に質問したところ、彼は喜んで彼自身の体験を話し、試合の写真まで見せてくれました。




オタワのアイスホッケー

多種多様なスポーツが盛んな首都オタワは、アイスホッケーやバスケットボール、野球、カナディアン・フットボールのチームを擁しています。しかしカナダでは、バスケットボールも野球もフットボールも一番人気になることはありません。カナダの国民的スポーツといえば、それはもう絶対にアイスホッケーなんです。
アイスホッケーはカナダが生んだ国技であり、世界選手権での優勝は24回、冬季オリンピック大会では8回と、世界大会におけるカナダの強さは圧倒的です。
ワールドカップや冬季五輪にカナダのチームが出る時期ともなれば、国中みんながテレビで試合を観戦するし、カナダのチームを応援するため外国まで遠征する人も出てきます。世界のアイスホッケーの代表的なリーグに、カナダでも非常に人気の高いナショナル・ホッケー・リーグがあります。同リーグは1917年にモントリオールで発足し、その後、アメリカ合衆国で普及しました。現在は全30チームのうち7チームをカナダが、全選手の約半数をカナダ人が占めています。
トロントで私が行きたいと思っているのが、ホッケーの殿堂(ホッケー・ホール・オブ・フェーム)です。ここは、かつてモントリオール銀行が所有していた建物の一角にあり、ホッケーの歴史にまつわる展示品や資料が豊富に揃っています。

驚いたことに、つい最近(1994年)までアイスホッケーはカナダ最大のスポーツではなかったそうです。
カナダが国会で国技に認定している競技は、夏季スポーツのラクロスと、冬季のアイスホッケーの二つです。 1990年代以前、カナダの公式スポーツは、先住民によって行われていたラクロスだけでした。1994年になって初めてカナダ下院がカナダの公式スポーツとして認定したことで、公式の夏季競技と冬季競技の区別も明確になり、すべてのファンが満足できる状況が実現したというわけです。
アイスホッケーというスポーツは、子どもでも男性でも女性でも、あらゆるレベルの人が楽しむことができます。



同僚の話によれば、この競技の起源をたどることは簡単ではないそうです。おそらく欧州から「輸入」されたものが、カーリングの新種として誕生したのでしょう。
1850年頃、すでにハリファックスやノバスコシアでイギリス人兵士たちがこの競技を行ったという記録が残っていますが、屋内で最初に公式試合が開催されたのは1875年のビクトリア・スケーティング・リンクで、現在はこれが正式なアイスホッケーの誕生とされています。
オタワのアイスホッケーチームといえば、セネターズです。
1883年生まれのオタワ・セネターズは、NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)イースタン・カンファレンスのアトランティック・ディビジョンに属するアイスホッケーチームで、1996年にオープンしたオタワの屋内競技場、カナディアン・タイヤ・センターが彼らの本拠地です。


オタワ・セネターズはアイスホッケーの公式チーム

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

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