• 2019.05.24
  • カナダの学校システムって?
日本の学校がどんなシステムになっているのか僕は知らないのですが、カナダの学校制度は、ヨーロッパよりもアメリカやオーストラリアの制度に似ています。
カナダの高校は4年制で、通常は14歳から18歳までの生徒たちが通っています。ヨーロッパのような教科過程はなく、高等学校と専門学校、科学、語学、芸術などに特化した高校といった区分もありません。あるとすれば、学校によってどんな種類の教育が受けられるか、あるいは生徒がどの科目を選択できるかの違いです。
カナダの学校では、リニアシステム(学期ごとに4~5科目、年に計8~10科目を履修する)または年次システム(一年を通じて8~10科目を履修)をとっています。また、共通科目を履修する標準プログラムと、卒業後に外国留学を希望する学生がカナダやアメリカの大学の単位を取得できるAPプログラムの両方を設けている学校もたくさんあります。
履修科目の選択は、学期や学年の最初に登校した日に学校で行うのですが、希望によってはそれ以前に済ませてしまう生徒も多いのです。使用言語についても英語かフランス語、そしてなんとバイリンガル授業から選べるんですよ。 受けられる授業は学校によって少しずつ異なりますが、生徒が選択できる科目の中でも多いのは英語、科学、体育、数学、コンピュータサイエンス、機械学、栄養学、メディア、モデリング(模型製作)、写真、美術、演劇、音楽、スペイン語、心理学、木工技術、公民、歴史、法律、地理、社会科学などでしょうか。
英語で行われるコースを選択した生徒でも、フランス語の成績が良ければ1~3科目はフランス語で行われる授業を受けられます。

スポーツやカリキュラム外の科目も受けられます。その内容は学校や地域、周囲の自然環境によってさまざまですが、たとえば水泳、ダンス、バスケットボール、アイスホッケー、ハイキング、バレーボール、フットボール、セーリングなどなど。同じカナダでも地域によって、それぞれに適した屋外スポーツがあります。社会に関わる学習をしたい生徒はもちろんのこと、屋外スポーツを学びたい生徒にとって、あるいはいわゆる学校のお勉強や教育的プログラムだけでなくカリキュラム外の教育をしっかり受けたい生徒にとっても、カナダの学校が魅力的であることは間違いありません。
宿題はそれほど多く出ませんが、クラス発表を前提とした長期プロジェクトの課題があり、多くの生徒はITサポートを利用して取り組んでいます。学校には新しいコンピュータ、蔵書が豊富な図書館、スポーツジムにシアター、食事ができるカフェテリアも併設されています。校舎もたいていは清潔で新しく、明るいカラーが目を引きます。
毎日更新される学校の公式ウェブサイトにはあらゆる情報が公開されていて、ズル休みをした生徒は処罰の対象になることも。成績評価は、決められた時間を守れるか、興味関心の高さ、グループワーク適性や自主性など、非常に細かい指標が設けられ様々な事柄が考慮されています。
子供たちにしてみれば、必然的に自主性や責任感が養われるという仕組みですね。
生徒の保護者も子供の宿題をチェックしたり、教師が書いてよこしたお叱りの手紙にサインしたりなんてことはしません。問題を抱えている生徒、大人からの指導や助言が必要な生徒には、指導教員のサポートやカウンセラーとの面談などのバックアップ体制がばっちり揃っています。
授業で理解できないことがあった子や欠席した子は、ランチタイムや放課後を利用して先生に質問してもかまいません。
高等学校の教員として働くには、大学卒業後に少なくとも1年間の学習が義務付けられています。

特派員

  • パトリック・ サッコ
  • 職業エリオット・コンサルティング社エンジニア

こんにちは! 私はパトリックと言います。スコットランドのエジンバラ在住で、土木技師をしています。趣味は詩を書くことです。9年ほど前にイタリアからスコットランドへ移住し、この土地に惚れ込んでいます。雨の多い気候を好まない人もいますが、その気候のおかげでここは緑豊かな風景に恵まれています。暇を見つけては、車でエジンバラ郊外へ湖や渓谷を見に出かけています。

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