カナダでは2月頃までに税金を支払わなければならない、ということはありませんが、会計士からこの時期までに手元にある書類を全て提出するように言われているので、前もってしっかり準備しておいた方がよさそうです。
カナダで暮らし、仕事についている人は、毎年確定申告を行う必要があります。
カナダでは、カレンダー通り1月1日から12月31日までが会計年度になっています。
確定申告書(記入済みのもの)は4月末日までに提出する必要があり、カナダ歳入庁(CRA)が税を徴収します。
自由市場経済が盛んなカナダには、小規模な個人経営の会社から大企業まで様々な企業が存在しています。
歴史的に、カナダは小麦や大豆などの生活に欠かせない農産物の輸出や、鉱物、石油、天然ガスといった天然資源の製造と輸出を基盤にして経済成長を遂げてきました。
時代とともに製造業も発展し、この国は世界の主要な製造大国のひとつに成長しました。サービス業も急激に拡大し、国の経済に大きく貢献しています。
カナダの住民は、連邦、州(または準州)、そして地方自治体の3つの政府・機関に対して税金を支払います。
収入に応じて税金が課され、給与所得者であれば年度内に自動的に給与から差し引かれますが、確定申告は必要です。
フリーランスの人や自営業、経営者の場合は、別途支払うことになります。
カナダでは毎年確定申告(General Income Tax and Benefit Return)を行い、所得とそれに伴う税金を政府に報告することになっています。
税金を納めすぎた場合は余剰分が還付され、不足していた場合は追加で支払います。
独自の法令と条例を施行しているケベック州を除き、税金納付用紙の記入に必要な書類は、カナダ全土で共通です。
先に述べた通り税金は所得に基づいて課税されますが、収入に応じて5つの所得段階に分類され、それぞれ異なる税率が適用されます。
連邦所得税の税率計算には累進課税制度が採用されていて、いくつかの所得階層に分けた税率が適用されます。
基本的に、各階層の連邦税率は15%から33%の間で段階的に変化します。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けて、連邦と州、準州の各政府はカナダの国民と企業に降りかかった経済ダメージを軽減するために様々な政策を実施しました。この政策には、確定申告の提出期限と確定申告後の税金支払期限の延長など、個人に対する税制措置も含まれています。
カナダでは事業登録に関する州独自のルールも設けられていますが、3万カナダドル以下の事業は付加価値税(VAT)登録番号の申請を行ってはいけないと連邦規定で定められています。
カナダで働いている人、または183日以上カナダで暮らしている人は誰でも、確定申告を行う必要があります。
一方、要件を満たす低所得世帯には、毎月カナダ児童手当(CCB)が支給されます。さらに、16歳未満の子どもと同居している場合は減税措置が適用されます。1年間で最大、7歳未満の子ども一人につき8,000カナダドル、7~16歳であれば5,000カナダドルの控除を受けることができます。
また、障害がある子どもに支払われる手当もあり、手当の額は確定申告書の内容と所得など基準に基づき毎年算出されます。
その他にも、カナダには5%の連邦物品サービス税(GST)があり、ほとんどの商品の購入に適用されます。また、州によってはケベック州売上税(QST)のような州・売上税(PST)や、GSTとPSTを一体化した統一売上税(HST)が課されます。
- 2021.12.14
- カナダの税制度