友人のためにイタリア料理を作ったり、カナダの食文化をあれこれ学んだりと、素晴らしいひと時を過ごしています。
先日、ある友人がとっても美味しい自家製ロブスター・ロールを持って遊びに来てくれました。
ロブスター・ロールはカナダで人気の季節料理のひとつで、特にノバ・スコシア州を始めとするカナダの海沿いの地域の人々から愛されている一品です。ハンバーガー用のバンズやバゲット、その他いろんなタイプのパンに乗せたり、ピタパンに挟んだりすることもあります。
フライドポテトときゅうりのピクルスを添えて食べるのが一般的で、友人はピクルスも持参してくれました。
夏になると、ノバ・スコシアやオンタリオ、ニュー・イングランドなどの州では、ファストフード店でさえも季節限定メニューとしてロブスター・ロールを販売します。夏のグルメですが、友人のように冷凍ロブスターを使えば一年中作ることができます。
デザートにお手製のバタータルトを持参してくれた友人もいました。
バタータルトはカナダを代表するスイーツで、バターをたっぷり使ったパイ生地にバター、砂糖、シロップ、卵を流し入れて焼きあげたお菓子です。レーズンやナッツ類、キャラメル、チョコレートが入っているタイプもよく見かけます。流し込むフィリングは液状でも固形のままでもOKなので、焼くときに失敗することが少ないのもいいですね。
簡単なのにとても美味しいので、「地味なお菓子」と思われつつも人気が廃れることはありません。最近では、バタータルトをより洗練されたフランス風の焼き菓子に進化させて販売するペストリーショップも増えています。
以前にもカナダのスイーツについての記事を書きましたが、私はまだまだ美味しいお菓子があるということを知ってしまいました!
バタータルトも最近知ったお菓子ですが、他にも、初めてドーナツ・ホールを食べる機会がありました。
えっ、ドーナツ・ホール(ドーナツの穴)ですって?と思った人もいるかも知れませんが、確かに「ドーナツ・ホール」なんです。カナダのご当地フードチェーンが生み出したと言われている、ドーナツ生地を一口大に丸めて揚げた美味しいお菓子です。いろんな味があり、中に入っているフィリングもチョコ、ケーキドウ(ケーキの生地)、サワークリーム、ハニーソース、バニラなどバラエティに富んでいます。このお菓子、カナダではおなじみの「ダブル・ダブル」と呼ばれるクリームと砂糖を2つずつ入れた甘いコーヒーと非常によく合います。この組み合わせは午後のおやつにも、午前中の休憩にもぴったりですよ。
もうひとつ、ブルーベリーグラントというとびきり美味しいデザートも紹介したいと思います。
「グラント(Grunt)」という名前は、ブルーベリーを水と砂糖と一緒に鍋に入れて蓋をせずにゆっくり煮込んでいるときに聞こえてくる音にちなんでつけられました。ブルーベリーをたっぷり使ったデザートなので、ブルーベリーアレルギーのある方はご注意ください。フルーティーで美味しいブルーベリーの上に、小麦粉とバターで作ったシンプルな甘い生地を乗せたブルーベリーグラントは、ノバ・スコシア州が発祥だと言われていますが、今ではカナダのほとんどの都市で人気のあるデザートです。長い歴史を持ち、ハドソン湾にあるプリンス・オブ・ウェールズ砦の建設にたずさわった男性たちのお気に入りのおやつだったとも言われています。当初は素朴なクッキーやビスケットが添えられていたようですが、レストランやカフェで提供されている現代版ブルーベリーグラントは、煮込んだ温かいブルーベリーにひとすくいのバニラアイスを添えるのが一般的です。
デザートではありませんが、最近もうひとつ美味しい発見がありました。それは、カナディアンベーコンです。
骨のない豚のロース肉の形を整えて煮込み、トウモロコシの粉を外側にまとわせたこのベーコンは、卵やチーズと一緒にパンに挟んで朝食として食べるのが人気ですが、ハンバーガーのトッピングにもぴったりです。過去に何度も食べたことがあるはずなのですが、アメリカンベーコンよりも赤身が多く、タンパク質も豊富だとは全く知りませんでした。味もカナディアンベーコンの方が勝る、という人もいるくらいですよ!