- 2015.09.25
- 連邦園芸博覧会(BUGA)でのいけばな展示会
ベルリンから車で約一時間、溢れんばかりの緑と湖に囲まれたブランデンブルグで、“Bundesgartenschau(=ブンデスガーテンシャウ)“という園芸博覧会が開催されています。2015年4月11日から10月11日までの半年間に、春から夏や秋にかけての園芸と造園を見て楽しむことができます。
ドイツのガーデニングは何百年もの歴史があり、当初はプライベートの造園を時折開放したことが始まりでした。1865年に、国際園芸展がエアフルトで行われたことを皮切りに、戦後1951年からは2年に一度、連邦園芸博覧会(BUGA)、10年間隔で国際園芸博覧会(IGA)がドイツ国内の各地で開催されています。
上段左・2015年ブランデンブルグ、上段右・2013年IGAハンブルグ、下段左・
2011年コブレンツ、下段右・2009年シュヴェリーン
8月27日〜31日までの4日間、園芸博覧会のメイン会場にあるSt.ヨハネス教会でIBV(Ikebana Bundesverband/いけばな連邦協会)による、いけばな展示会が行われ、私も参加して参りました。ドイツ各地からいけばな歴30〜50年級のベテランいけばな活動家が数多く集まり、池坊、草月、小原流をはじめとした様々な流派のいけばなが展示されました。快晴の土曜日は約4,700名、4日間で延べ約15,000名の来場がありました。
私の所属している古流東洋会は2年前のIGAハンブルグに続き2度目の参加で、「生花(せいか)」と「水墨花点前」をご紹介して参りました。
「生花」は「天・人・地」で宇宙の森羅万象を表し、「天」は「導くもの、創造するもの」、「地」は「万物を育むもの」、そして「人」は天と地の間で「調和を保つもの」を意味しています。
「水墨花点前」とは、色紙に描かれた水墨画のようなお花をイメージしており、天人地の3つのポイントを主としながら草木の自然な姿を生かし、調和の美を生け上げます。お花を生ける「花人」と和歌を朗詠する「歌人」、最後に茶道のようなお点前で生けたところを清めることで、所作の美しさのみならず、草木花や道具への感謝と、次にこの道具を使う人への思いやりの意を込めます。
このような日本の精神文化の基本「いけばな」をドイツの方々や若い世代の方々へ普及すべく、独日友好関係向上、そして日本文化活動の一環として参加できたことを大変有り難く思います。
今回のブランデンブルグでのBUGAは湖に囲まれた広大な自然の中で開催されました。会場は5か所あり、会場の端から端までは、最長距離で80kmにわたる程でした。
開催場所が一カ所に固まっていないので一日で全てを見ることは難しいのですが、現地で自転車をレンタルすることもできます。ゆっくりと自然の中をサイクリングしながら時間をかけて楽しむ、ドイツならではの満喫方法に驚かされながら、最後の夏休みを楽しむ方で大変賑わう素晴らしい園芸博覧会となりました。