最近日本でも周知されてきたイースター(復活祭)はドイツ語で Ostern (オーステルン)といいます。キリスト教ではキリストが十字架にかかられ処刑された3日後に復活という奇跡を起こしたため、「復活祭」として最も重要な祭日としています。
オーステルンと共に待ちに待った春の訪れがやってきます。
オーステルンは移動祭日と呼ばれ、昼と夜の長さが同じになる「春分( 3月21日ごろ)」の後の最初の満月の後の日曜日が復活祭となります。そのため、毎年3月下旬〜4月下旬の間で日付が変わり、この祭日を境に日照時間がどんどん長くなります。
でもなぜ卵とうさぎなの?
Ostereier オーステルンアイヤー(イースターエッグ)
どの卵も生まれ変わる「命」が宿っています。卵が「死」を迎えることで、ひよこ(鶏)に孵ります。卵から鶏が生まれ、鶏が卵を産む…。この永遠の連鎖で生命が続いています。
卵に色々な色を塗ります。この有彩色は私たちの喜び、また新しい命に対する歓声を表しています。
そしてオーステルンのメインイベントでは、子供達が庭などに隠された「卵探し」。卵を探すという行為には、「人生の意義」、「復活」そして「生まれ変わり」を探していくという意味合いも秘められているそうです。
Osterhase オーステルンハーゼ(うさぎ)
うさぎは沢山子供を生むことから、豊かな生命の象徴とされています。
そして、メルヘン童話に登場してくる「Meister Lampeマイスターランプ」という春のお使いうさぎがモチーフなのですね。このうさぎが草原のいたるところに卵を隠します。
オーステルン(復活祭)の前日までは、寒い冬の間手入れができなかった芝生を整え、奇麗に掃除し、色とりどりのお花をお庭に植え、清々しい気持ちで春の訪れを感じます。
この時期に花を咲かせる黄色いラッパスイセンは40cmほどの高さになり、花びらの内側が鈴(Glocke)の形をしているところからOsterglocke(オースターグロッケ)またはOsterglöckchen(オースターグロックヒェン)と呼ばれ親しまれています。
そして休日の前、娘は幼稚園から3週間ほど育てられた芝の植えられた器を持って帰ってきました。
復活祭当日の朝、器の中に「赤い卵」と「うさぎ」を置いておくよう指示されました。この「赤色」の卵というのは、「血の色」、「力」、「復活」を意味し、キリストの復活という意味合いが込められているそうです。子供にとっては少しリアルですが、この小さい時期から赤のもつ意味を身体で吸収していくことに興味を覚えました。
しかし、宗教色の薄くなった復活祭。
ドイツでは、パンやチョコレートをうさぎの形にした Osternhaseオーステルンハーゼを家族や友人や子供達にプレゼントします。
様々なデコレーションを可愛く飾って楽しみましょう!
それに加えて、Osternfladen(オーステルンフラーデン)という円形のパンや、冬の大斎/四旬節(6週間)の間、禁じられていた肉、乳製品、卵がオーステルン(復活祭)の日に初めて解禁なるため、豪華な肉料理で食卓を囲みながら賑やかに復活祭をお祝いします。