シュール・テューテは身長の半分ほどある大きな円錐形の袋で、中にはお菓子や文房具などが入っています。沢山の甘いお菓子が入っているので、別名ツッカー・テューテ(Zuckertüte:砂糖の袋)とも呼ばれます。
入学式シーズンになると市販品も見かけますが、伝統的な行事として親が幼稚園で手作りします。子育て経験者の友人から、ランツェン(Ranzen)やトルニスター(Tornister)と呼ばれるランドセルの色柄にこのシュール・テューテの色を合わせるのがこつと聞き、まずはランドセルを買いに行きました。
娘のお気に入りの色はエルザカラーの水色。
自分で選ばせたらイルカがついたランツェンから離れなくなりました。同じ柄でも何種類かタイプがあり、背が低めの子は横長のもの、背が高いと縦長が良いとアドバイスをもらいました。6歳と言っても、9月生まれの子はまだ6歳未満で、10月生まれの子はもうすぐ7歳となるので、体型や体格などそれぞれ違います。娘は比較的背が高いので、ショルダーの高さが調節できるもの、そして重量を分散できる腰のベルト付きを選びました。
水色とイルカというモチーフが決まったところで、色の画用紙や貝殻、木製の魚、ブルー系のフェルト、宝石箱のような色のデコレーションを用意しました。
幼稚園で一緒に作れる機会があるので、分からないところは先生に聞きながら1時間ほどで完成しました。
やはり娘と一緒に作ったシュール・テューテは愛情いっぱいで、いよいよ小学校に入学することを実感でき、良い経験となりました。
娘の小学校では前日にお母さん達5名ほどの有志でお花のアーチを作りました。庭師の人が材料を用意しておいてくれたので、私たちはまずはアーチの枠に緑の葉っぱを飾り、ダリヤなどの色とりどりのお花を2−3本ずつお水のケースに入れ鏤めました。所々、香りのよいフェンチェルなどのハーブを子供達の鼻の高さに入れ、ドイツ風いけばなの完成です。
そして入学式当日。
一人一人名前を呼ばれたら、上級生が花束を手渡しながら舞台まで案内してくれ、舞台に飾られたお花のアーチをくぐると先生が笑顔と握手で迎えてくれました。とても心のこもった演出に感動し、小学校を無事に入学することができ安堵しました。
シュール・テューテは子供達の緊張を和らげる意味で始まったそうですが、この習慣は大人にとっても、子供にとっても思い出深いイベントとなりました。