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新しい年を迎える瞬間は、自分の人生が一瞬リセットされたような感覚かつ、新たな一年の目標を定め、今からだったらなんでも頑張れるような気持ちになれるこの瞬間がわたしは結構好きです。さて、そんな瞬間にピッタリの習慣がペルーにはあります。それは、新たな一年に幸福が訪れますようにと、大晦日から元旦になる12時ちょうどのタイミングに12粒のブドウを食べるというものです。郷にいれば郷に従え、今年も1月1日になった瞬間、「あけましておめでとう!」と言い合い、そこにいるすべての人とハグをしつつ、12粒の白ブドウを食べました。
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この習慣はスペインから南米に伝わったと言われており、起源にもさまざまな説があるそうです。一説によると、始まりは1909年に遡ると言われていて、その年、スペイン南東部のアリカンテでは、アレドと呼ばれるこの地方の代表的な品種の白ブドウが豊作だったと。そのため、販売方法にアイデアが必要であったことから、12粒のアレド・ブドウを食べると「幸運を呼ぶ」として12粒の白ブドウをラッピングし「幸運のブドウ」として販売することにしたそうです。それから、長い年月をかけて少しずつ洗練され、文化として定着していったと。フレッシュな白ブドウがない地域では、干し葡萄を代わりに食べるそうです。「ブドウ」であることが大事みたいです。
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ペルーではフレッシュな白ブドウが簡単に手に入ります。市場へ行くと、今の時期は大きくて、甘い白ブドウがたくさん並んでいます。こちらの写真の白ブドウはなんと250円。日本だと2500円くらいしそうですよね。種もなく、皮も食べることができるのでストレスフリーで、一房すぐに食べ切ってしまいます。
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実は、私が住むイカ県では、ワインやピスコを作るためのブドウが大量に生産されています。
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イカは砂のまちと言われていて、うっかり屋外にパソコンを置こうものなら、キーボードの間に砂が山盛り入ってしまって大変!なことになるほど、砂の多い場所なのですが、そんな太平洋岸の砂漠地帯に位置するイカで、ブドウの木が立派に育っているんですよ。年間を通じて温暖で雨の降らない乾燥した気候(平均気温25℃)がブドウ作りに非常に適しているそうです。
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数あるイカのワイナリーの中でも長い歴史をもち、南米最古のワイナリーと言われる「TACAMA」へ行って来ました。イカの中心地から車で20分ほどのところにあります。
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TACAMAのガイドツアーは観光客向けにかなりしっかりとプログラムされていまして、TACAMAの歴史を学ぶところから始まり、ワイン工場の見学、果てしなく広がるブドウ畑の見学、ワインとピスコの試飲まで盛りだくさんです。さすが太っ腹のペルーだけあって、試飲の量が普通のグラス1杯分が何種類も出てくるので、出たものすべて飲んでいたらツアーが終わる頃にはほろ酔い状態なんてこともあるかもしれません。
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TACAMAが運営している屋外レストランがとっても素敵なので、ワインと一緒に、イカの郷土料理を食べてみるのもいいかもしれません。
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それではこのあたりでアディオ~ス!南米ペルーのイカ州パラカスより山本粧子でした。