
このインパクト抜群の黄色いインカ・コーラは、ペルーで現地の方と共に生きる上で欠かすことができない存在です。普通に外食する時も、甘すぎる誕生日ケーキを食べる時も、炎天下で歩き疲れて水が飲みたい時も、クリスマスに七面鳥を食べる時も、とにかくどんな時にでも、多くのペルー人はこのインカ・コーラを飲みます。ペルーへ来たばかりの頃は「どうして、甘いケーキにコーヒーじゃなくて、この砂糖が大量に入った炭酸飲料を飲むんだ・・・?」と不思議で仕方がなかったのですが、いつの間にかインカ・コーラが私のペルー生活の一部にもなってしまい、誰にも頼まれていないのにカフェでコーヒーではなくキンキンに冷えたインカ・コーラを頼むようになってしまいました。慣れとは恐ろしいものです。

このインカ・コーラは、ペルーの首都リマの創設400周年記念にリンドレー社が1935年7月28日から発売開始した炭酸飲料です。後にコカ・コーラ社がインカ・コーラの製造販売権を獲得し、現在はコカ・コーラ社からインカコーラは販売されています。地元の人から、コカ・コーラ社が販売するようになってからインカコーラの味が落ちたなんて話もちらほら聞きますが、それでも変わらず彼らはインカ・コーラをガンガン飲んでいます。ペルーへもしお越しになることがあったら、スーパーマーケットへ行ってみてください。恐ろしいほど、たくさんのインカコーラが並んでいる景色をぜひご覧いただきたいです。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回は私のお気に入りのフルーツ「サボテンの実 トゥナ(TUNA)」を紹介したいと思います。私の住むイカ州は農業が盛んなのですが、畑の方へ歩いて行くと大人の身長を越えるほど大きなウチワサボテンがちらほら見えます。


このサボテンの先っぽに、大人の握り拳より少し小さめの実がついているこれが「トゥナ」です。

こちらの実にも小さな棘がたくさんついているので食べる時には注意が必要です。まずこのように地面に置いて、笹の葉のようなものを持って棘をはらいます。小さな棘なので葉との摩擦でだいたいは地面に落ちます。それから、軍手をはめた手でトゥナを持ち、ぐるぐると回して一つずつ丁寧にもぎ取ります。

それからトゥナの上下にナイフを入れ、皮を剥くとこのように種がたくさん詰まったみずみずしいものが出てきます。割と大きめの種なのですが、種も捨てず、このまま口の中に入れてしっかり噛みながら飲み込みます。非常にジューシーで甘く、いくつでもペロリっと食べれてしまう魔性のフルーツです。ぜひ、南米にお越しにならる際には一度お試しください。それではこのあたりでアディオ~ス!南米ペルーのイカ州パラカスより山本粧子でした。