エルバ島はイタリアのシチリア島、サルデニア島に次ぐトスカーナ州の中で最も大きい島で、トスカーナ州のリボルノ県に属しているこの島は、ピオンビーノからフェリーで1時間、
水中翼船で30分ほどの所にあります。人口は約3万人で夏場になると海に多くの人が訪れます。エルバ島はヴィーナスのネックレスが切れて落ちた宝石がトスカーナの諸島となったその中の一つとも言われています。またフランス皇帝であったナポレオンが追放された島としても知られており、後に『エルバ島を見るまでは、私に不可能はなかった』(Able was I ere I saw Elba.) という回文を残した事でも有名です。今回、私の住むフィレンツェでは約2ヶ月間に渡り3月の半ば過ぎまでそんなエルバ島の伝統郷土料理と食材、ワインの普及活動の一環としてプロモーションが行われる事となりました。その内容はフィレンツェの8つの選りすぐりのレストランのシェフとエルバ島のシェフ達がコラボレーションして日を変えてディナーを行いエルバ島の料理を紹介して行くという試みで、エルバ島とフィレンツェのレストランやショップの促進プロジェクトと題してこのイベントが開催される運びとなったようです。
それに先駆けて、取材陣やジャーナリストを集めたエルバ料理と今回のイベントに協賛しているレストランのシェフ達を集めたお披露目会がありました。まずはそんなエルバ島の郷土料理のご紹介から・・・ズブッリータ ディ バッカラ(塩漬けにした鱈を水で戻し塩抜きしたものの煮込み)
ズブッリータ ディ ゼッリ(この辺りでとれるゼッリという青魚の煮込み)
ストッカフィッソ アッラ リエゼ(干し鱈を水で戻して調理したもの)や他にも魚介を中心とした郷土料理がいっぱいあります。
そんな郷土料理がそれぞれのシェフの手にかかればこんな美しいお皿に…
此方はそれぞれのシェフがエルバの郷土料理のレシピをベースにエルバの食材を使って仕上げたお皿の数々
いろんなシェフに寄って仕上げられたお皿は見た目もさることながら,味付けも違いますが、エルバの郷土料理がいろんな形で味わえるとても興味深い企画だと思います。イタリア人は大抵自分の故郷とその伝統に強い誇りを持っています。私も仕事柄イタリアのいろんな地域に訪れるのですが、地元の人と話をすると決まって誰もが料理の素晴らしさや地域の美しさ、全ての特徴を取り上げて自分の生まれ育った故郷の話を本当に自慢げに話してくれます。そんなカンポリズモの強いイタリアでは地域によって郷土料理がそれぞれに違います。そんな伝統を受け継いで守ろうとする今回のこのエルバ島のプロジェクト。エルバ島は海や景色が綺麗というだけでなく、美味しい郷土料理も豊富に揃い、ワイン産業も盛んです。シチリア島やサルデニア島に続く大きい島であるにもかかわらず、まだ訪れる方の少ないこのエルバ島ですが、魅力は満載です。そんなエルバ島に訪れてみてはいかがでしょうか?