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  • 2021.03.16
  • 世界観光回復予測
 マドリードに本部を構えるUNWTO 国連世界観光機関(・・・観光を振興し発展させることを目的とする国連専門機関)は先の1月28日付けで世界観光業界2020年の分析と将来の見通しを発表しました。
https://www.unwto.org/es/news/2020-el-peor-ano-de-la-historia-del-turismo-con-mil-millones-menos-de-llegadas-internacionales

 予想されたとはいえ若干ショッキングな標題で始まっています。
≪2020:EL PEOR AÑO DE LA HISTORIA DEL TURISMO, CON MIL MILLONES MENOS DE LLEGADAS INTERNACIONALES≫
≪ 2020年: 国際観光客到着数が10億人減少した観光史上最悪の年≫
2009年リーマンショックに端を発した世界的経済危機の際に記録した国際観光客到着数の落ち込み率4%と比較してなんと74%減という極端な下げ幅になりました。観光業界の肝である“人の移動”が封じられてしまうと如何なる対応策も無い現実をまざまざと突き付けられた2020年です。


この図から国際的な人の移動が激減した様子がみてとれます。

UNWTO 2020年分析PDFより。https://webunwto.s3.eu-west-1.amazonaws.com/s3fs-public/2021-01/2020_analisis_anual_0.pdf

 スペイン経済の重要な柱の一つである観光業、スペインは外国人旅行客入国数世界ランキングでは一位のフランスに次いで二位、2019年の実績人数はスペイン全人口の1.76倍にあたる8351万人でした。地中海性の温暖な気候のおかげで避暑・避寒のリゾート地としてヨーロッパ諸国、特に北の国々から太陽を求めて多くの人々が殺到するバカンス客層がその多くを占めています。

しかしそれだけでなく、世界遺産登録数ランキングでは世界三位の文化・自然・複合遺産、多くの芸術家を生み出した国ならではの様々な美術関係施設、最近特に脚光を浴びている美食の宝庫、西欧と呼ばれている国々のなかでもポルトガル同様一番西に位置していながらどこかオリエントの香り高いフラメンコなどに代表される他のヨーロッパ諸国とは一線を画す独特の文化、中世から続くサンティアーゴ聖地巡礼の道、ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を行き来する渡り鳥達の通り道でのバードウオッチング等々 外国人観光客にとっては魅力が詰まった国です。

この観光業依存度が高いスペインでは特に移動制限の打撃が大きく、ワクチン接種を始めとして様々な対応策がとられて、出来るだけ早い観光業復活が望まれている中での今回の発表ですが、なんと世界の観光業が2019年のレベルまで戻るのはあと2年~3年後の2023~2024年頃になるだろうとの予測が報告されています。


各国のUNWTO専門家に≪外国観光客数が2019年までの水準に戻ると予想されるのは何年後になると思うか?≫、というアンケートを行った答えのグラフです。

一方、日本でも特に東京2020オリンピック・パラリンピック大会で国際社会に存在感をより大きくアピールし、観光業界も近年増大し続けてきたインバウンド需要の一層の飛躍が期待できる希望にあふれた年になるはずでしたので、その延期と開催の不確実性によるダメージは計り知れません。 つい一年前までは観光立国を目指していた日本ですが、同時にオーバーツーリズム・観光公害の問題も発生し、日本の伝統を代表するような町でも自治体の長自ら『この町は観光都市ではない!』と宣言した程です。しかしそれも今となっては贅沢な悩みだったのでしょうか?

東京2020に関しては、このビックイベント開催を可能にするコロナ対策の重要な鍵の一つがとなるのがワクチン接種でしょう。参加予定の206各国が平等にワクチン接種を受けてこそオリンピック精神を体現した安心・安全で公平な大会になると思います。

ワクチン接種が始まったばかりの日本では≪筋肉注射が痛そうで怖い≫とか≪副反応が心配≫など接種をためらう声も聞こえるようですが、スペインの国境なき医師団がワクチン接種に関して興味深いキャンペーンを行っています。
曰く
≪ Hay algo que da más miedo que las vacunas. No tenerlas≫
≪ワクチンよりももっと怖いものがあります。それはワクチンが無いことです。≫


マドリード市内のバス停にはられた国境なき医師団のワクチン募金キャンペーンポスター。

募金活動をしてワクチンが手に入らない貧しい国々を助けようという趣旨です。
このポスターは麻疹(はしか)予防ワクチンについての募金ですが新型コロナ感染症予防のワクチンにも当てはまるメッセージですよね。1瓶から5回分しか取れず残りの1回分を諦めて破棄してしまうという持てる国がある一方、世界には未だ接種どころかワクチン自体が確保できない国の方が多い現実も考えるべきではないでしょうか?

またまたワクチン接種の話題に戻ってしまって申し訳ございません。ただ現在の日本の接種状況を拝見すると何か歯がゆさを感じてしまいます。各国なりの事情があるのは理解できますが単純に接種開始から12日~13日間の進行状態をスペインと比較してみると・・・


スペインのワクチン接種開始時の統計です。(スペイン政府 ワクチン接種戦略局HPより)

日時:2020年12月27日開始から2021年1月7日迄
日数:12日間
ワクチン配給数:74万3925回分(各州へ人口比率に応じて分配された総数)
接種回数:27万7976回
接種率:37.37%(接種回数/配給数)   
一日平均接種回数:2万3165回


日本のワクチン接種開始時の統計です。(厚生労働省HPコロナウイルスワクチン接種実績より)

日時:2021年2月17日開始から2021年3月1日迄
日数:13日間
ワクチン入荷数:37万回分
接種回数:3万1785回
接種率:8.59% (接種回数/入荷数)   
一日平均接種回数:2445回

日本の場合は医療従事者の先行接種ですから、今回の特殊性を考慮に入れてもワクチンや注射等については接種される側もする側も慣れていらっしゃるとは思います。しかし単純に数字だけをスペインと比較するとなぜこのような差がでるのか、素人の私には腑に落ちませんでした。



ちなみにスペインの接種第一号は首都マドリードからほど近い高齢者介護施設の入所者で最高齢96歳の女性です。続く第二号は同施設で働く40歳の介護助手の女性でした。そして日本の接種第一号は国立病院の院長先生で同時に計12名の同病院勤務の方たちが接種を受けたそうです。

現状ですが、マドリードでは2月25日より第二段階として80歳以上の高齢者のPfizer/BioNTeckワクチン接種と55歳以下の教職員に対してのAstraZeneca社/Oxford大学共同開発ワクチンの接種が始まりました。そして感染危険度が高い歯科治療に携わる歯科医、歯科衛生士、歯科助手や現場スタッフ約1万2000人に対してマドリード歯科・口腔内科医師会(Colegio Oficial de Odontólogos y Estomatólogos de Madrid) は2月24日より一回目のワクチン接種を開始して6日間で完了、二回目接種を3月下旬までに終わらせて、より安全で安心できる歯科治療に専念できる体制を整えるとの事です。

そんな中、隠居生活をしている≪サンデー毎日≫高齢者としてはおこがましく、恐れ多いとは自覚しておりますが、そろそろ順番が回ってくるのかな?と保健当局からのお知らせを心待ちにしている今日この頃です。

特派員

  • 山田 進
  • 年齢寅( とら )
  • 性別男性
  • 職業スペイン語・日本語通訳

スペイン政府より滞在許可と労働許可を頂き、納税・社会保険料納付をはじめて早37年。そろそろシルバー人材センターへの登録も視野に入った今日この頃、長い間お世話になったこの国のことを皆様にご紹介できることを楽しみにしています。

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