- 2017.03.10
- 苦い経験だったのかなぁ?
仕事の合間に一息つきたい時、あなたは何をしますか?タバコ?外に出る?瞑想?近しい人に電話?スイーツ?お茶?一人で?それとも誰かを誘って?イタリアでは、クイっと一口で飲み干すエスプレッソが「一息」の主流スタイルでしょうか。皆さんが初めてエスプレッソを飲んだ時の経験は、いかがなものでしたか?私がイタリアで初めてエスプレッソを飲んだのは、イタリアに来たばかりの頃イタリア人の同僚達に誘われて、バール(カフェテリア)に行った時です。コンサート前の練習が終わり、本番まで少し時間がある間、イタリア人が仲間を誘い合ってバールに行き、「Caffè??」「Caffè!!」と同意を求めあうように言い始めました。イタリア語がまだわからなかった私にも「Caffè?」という合言葉が言い渡されました。私は紅茶派だったのでコーヒーなんて日本でもあまり飲んだことがなく、あの時もコーヒーなんか欲しくなかったのですが、「郷に入れば郷に従え」だよね、、、と内心自分に言い聞かせて、イタリア人の習慣に向かっての大きな第一歩を踏み出すことにしました。嗜好品にお砂糖を入れたことが無かった私は、このCaffèをストレートで一口味わった途端にあまりの苦さにビックリして、自分のモットーを貫いてこのまま砂糖抜きで飲み続けるか、又は砂糖に助けを求めるかを迷いながら口の中の苦味と相談していた所、イタリア人の同僚達は例の「クイっ」でとっくに飲み終わってお喋りで盛り上がりながらバールから出ていく、という次第でした。慌ててお砂糖をぶち込み、お砂糖を入れたこのコーヒーが甘くなって美味しくなったのかを味わう余裕も無く 飲み干してみんなの後を追った、という経験です。イタリア在住20年経った後の今となっては、エスプレッソの苦さに目を白黒する事も無くなり、当たり前になってしまったこのコーヒーですが、美味しいコーヒーにおける一番のポイントとはコーヒー豆の焙煎技術にかかっているのだそうです。コーヒー豆の大手卸業を経営している知り合いのイタリア人家族が、会社の醍醐味である焙煎方法を安易に従業員の一人に教えてしまった所、その従業員はさっさと独立してコーヒー会社を立ち上げてしまったとか。それ以来は親から子『のみ』への伝授になった、というかたく守られている企業秘密。挽いたコーヒー豆やコーヒーモカマシーンを持って旅行するイタリア人のことをからかって面白がっていた私も日本の実家に持ち込み、旧式なモカマシーンでエスプレッソを淹れます。日本にはお手軽に淹れられる美味しいコーヒーの商品が豊富にあるにも関わらず、、、