知人のイタリア人が電話をしてきて「今EXPOにいるんだけど、日本館の列が長い!7時間待ちの行列なんだけど、その行列に並んで見る価値はあるのかね?」と聞くので返答に困りました。「そうね、日本館は工夫が凝らしてあって見応えがあった。あなたが並ぶかどうかを迷っているから言うけれど、7時間の行列に並んで20分見学の日本館に入るより、直行便の12時間を使って本当の日本の空気を数日間吸いに行った方がある意味では割安で、より感動的な体験だと思う、、、」と言うと、妙に納得して日本館見学は諦めたようでした。
私のアドヴァイスは正しかったのかしら、、、、、?
中国、インド、ロシアなどの経済成長力の目覚ましさが私たちの日常生活においても顕著に見える今日ですが、その中でEXPOの日本館を始め日本は根強い人気を保ち続けているように思えます。
毎年ミラノでは2月初めにオリエンタル フェスティバルが開催されます。イタリア主要都市5、6箇所で開催される注目度の高いフェアでもあることから、私はここ10年近くこのフェスティバルを見に行こうと思い続けて毎年行きそびれていたのですが、今年はやっと行くことが出来ました。
今年のこのフェスティバルの特徴は、日本エリアをいつもより拡張して日本に力を入れていると言う前宣伝があったので、親日家のイタリア人などはいつにも増してフェアを楽しみにしていました。会場の3、4箇所に設置されたステージでは、朝から晩までノンストップで出し物が上演されていて私も鑑賞を満喫してきました。
特別に変わったマジックをしているわけではなかったのですが日本人マジシャンのリズムの良い芸の運び方に感心し、剽軽な仮装をした日本人のコメディアン2人組には笑いっぱなしにさせられ、イタリア人によるアクロバティック要素が非常に高い獅子舞には感激しました。どの出し物も言葉の壁を超えて、国柄の特徴や良さを十分に出したパフォーマンスに仕上げていて、観客の私は数時間のうちに東洋の国々を目まぐるしく旅行してきたような感じでした。
ポリエステル製のKIMONOや、40ユーロのKATANA、バリエーションに富んだ日本では見たことが無い具のスシ屋台など日本人の私にとってはびっくり仰天する品物の屋台が並び、日本風なものが溢れていました。
日本庭園を設置する余裕は無かったにしろ、悪く言えばお粗末な日本風家屋や風景を意識したものが建てられて(提灯が逆さまになっているのがご愛嬌)、けれども「日本エリアに力を入れた」努力をねぎらってあげたいところです。さらには、赤穂事件の47人浪人の話など歴史の紹介、打掛などの着付け体験など盛りだくさんで、私の知り合いが閉場の22時半まで鑑賞と体験を繰り返して遊んだことを納得させられるくらい、日本と東洋の魅力に溢れたフェスティバルと言えるでしょう。