• 2020.09.30
  • スーパー
カロリーや栄養などを気にした事がない私。 何十年間も同じ体重を維持しているようなので理想的な食生活を送っているとは思えないけれど、さほど悪くもないに違いありません。

食生活がとても豊かなイタリア。そのせいか、こだわりがあちらこちらに見えます。コーヒーひとつを取っても、昼食や夕飯の後に飲むコーヒーは、概してエスプレッソ。昼食後に「カプチーノをひとつお願い」なんて 注文した日には、アジア人は味覚感覚がずれている、と冷ややかな視線を浴びます。ミルク入りの何かしらの飲料は朝ごはんに飲むものとイタリア人は見なしていて、パスタでお腹いっぱいになった所、お腹の中と口の中をキュッと締めるかのようにエスプレッソを飲むのが普通です。アメリカンコーヒーをことごとく貶すイタリア人ですが、最近のイタリアは他国の料理を受け入れるようになって来ていて、その影響かアメリカンコーヒーも愉しむイタリア人が大分増えたと思います。

近年、イタリアのスーパーでは変化が激しいです。遺伝子組み換え関連商品はもちろん、パーム油不使用商品などが強調されるようになり、食品研究が進んでいるのが伺えます。その後、食物アレルギー対応商品の爆発的な発展がありました。家族用のビスケットを買うにしても、「あ、僕にはラクトース抜きのビスケット」「私には、グルテン抜きのビスケットにして」「彼には、糖質控えめビスケット」「彼女には、イースト菌抜きのもの」といったように、「抜き」だらけのリクエストでいっぱい。

それまでは「OOO入り」とか「XXX入り」がスーパーでの商品の売り文句だったのに、最近は全くもって逆。食物アレルギー対応商品の開発が急ピッチで進んでいるイタリア。「OOO抜き」とか「XXX抜き」の商品が爆発的に増えているのが現状です。1年前までは アレルギー体質だからということで不味くても我慢して食べていたアレルギー対応食品は、改良のスピードが伺えて最近はアレルギー体質でない人が食しても「あら、なかなか美味しいじゃない」というコメントが出るほどまでにレベルアップしてきています。
そのうち、アレルギー性物質皆無の「一括抜きビスケット」商品も開発されるかもしれません。

余談ですが、さて、数十年前にアメリカのスーパーに行った時に、様々な商品のパッケージにローファットの表示が強調されていて、低カロリーを競っているそれらの商品を眺めているうちに、頭の中でカロリー計算が回り始め、結局ひとつも選べなくなってしまって手ぶらでスーパーを出た記憶があります。

で、結論としては、いろいろな物を美味しく見せたり、手を加えて旨みを引き出し、味付けや調理方法やコンビネーションを楽しみながら食べることが一番大事ですよね。そう心がけましょう。

私もアレルギー体質なのですが、年齢や時期によることがわかってきて、要するにストレスを貯めないようにすることが一番大事なわけです。「ストレス抜き」の人生を目指しましょう!


特派員

  • 三上 由里子
  • 職業音楽家

チェリスト。ミラノを本拠地にソロとアンサンブルの演奏活動中。クラシックからポップスまで幅広いジャンルのレパートリーを持ち、イタリアの人気コメディアンの番組にバンド出演中。

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