けれどもこの偏食にはちょっとだけ言い訳を。イタリアの野菜は個体がとても大きいので買う前によく考えなくてはならないのです。例えばね、ナスなんて買ってしまったらナスだらけのメニューで何日間過ごすことになるのかしら!だからナスは買わなくなってしまった。下処理をして保存すればいい?!うーん、確かに、、、
赤ピーマンや黄ピーマンもキュウリも 長ネギも、それこそ半分に切ってあるカボチャもみんな大きすぎるー!!言い始めたら切りがなくなってきたのか、野菜だけでなく袋詰めや瓶詰やチューブ入りなどの製品も大きすぎると言いたいです。イタリアには日本のように気が利いた使い切りサイズという大きさは主流ではないのです。
さて、未だに食べたことが無い野菜に関して。特に最近に至っては、形はカリフラワーの形をしているけれど色は白ではなくてオレンジ色だったり紫色だったりするのです。これらは品質改良種なのでしょう。昔はなかったカラフルな野菜が普及していて野菜売り場は華やかです。ニンジンはオレンジ色の野菜だと思っていたら、最近は黒いニンジンが欠かさず売られるようになっていて、品種改良ではなくて品種冒険的大革命と言った方がぴったり。その内にピンク色や青いダイコンが出てきたりして?!
さて、食べた事がなかった野菜の1つにはCardiがありました。セロリみたいな形なのに茎の部分がギザギザしている。見た目がトゲトゲしていて食欲をそそられない出で立ちのカルディは例の「使い切りのサイズ」では売っていないので、この野菜の味を好きになれなかったら始末に困るからと思って見て見ぬ振りを前を通り過ぎて20年。最近、ヴェジタリアンの友人が調理してくれたお陰で初めて口にしました。美味しいでは無いですか!しかもその時の調理方法は実にシンプルにしていて塩茹でをしてオリーブオイルを軽くかけただけ。見た目に惑わされてはいけなかった、、、
更に「素通りして買わなかった野菜」の中で、最近の一番強烈な体験はSedano rapa。カルディのようなトゲトゲはないにしろ、不恰好な野菜のナンバーワンになれる根野菜。根野菜と言っても、ニンジンのような綺麗なオレンジ色をしているわけでもなく、ダイコンのような長く先窄みの形で掴みやすい形をしているわけでもなく、ゴツゴツした根がグロテスクに絡まっていてマスクメロンぐらいの大きさもある球体。一体誰が勇気を持ってこんな野菜を食べようと思ったのか、そして食べてみたのかということに興味が沸くような物体。
このSedano rapaは皮をむいてキューブ状などにカットをして油で揚げたり塩茹でしたりして食べるのが主流ですが、これまた不細工な見かけによらず美味しい。どんなお味がするのかと言いますと、ズバリ名前の通り。Sedano rapaのsedanoとはセロリのことで、rapaとはカブのこと。ほのかにセロリの味が感じられるカブの食感の体験だったと言いましょうか。見かけはSF映画に登場するような不気味な生き物のようなのに、中身は上品な味覚と食感を備えた色々な調理方法の可能性を秘めている野菜だったのです。
見かけに惑わされてはいけなかった、、、