商業面で発達をしたミラノは北部イタリアで、太陽と海のイメージがあるイタリアの中でもミラノは内陸部に位置していて海も無ければ太陽もそこそこで、南部イタリア人に言わせると灰色の天候しかないミラノ。
そんな薄暗いイメージのミラノにも関わらず、ファッションウィーク、デザインウィーク、エクスポなど数々の国際的イベントが華やかに繰り広げられる活動的な街です。
こう書くと、ミラノの町はニューヨークのような摩天楼の高層ビルが立ち並び、ビジネスマンやビジネスウーマンが颯爽と歩いている印象を与えるかもしれませんが、ミラノに高層ビルが建ち並び始めたのは比較的最近のことで、よくよく見渡すと中心地にはポツリポツリとのっぽな高層ビルが孤独な感じに建っている場合が多く、200年を超えるような石造りの建物が、5、6階建ての高さを統一しています。
生粋ミラノ人は日本で言うと江戸っ子みたいな感じでしょうか、ミラノの一昔前までは下町だったとしても、急速な経済的発展でいつの間にか高家賃または高級住宅地と変化していたミラノ中心地に生まれ育ったミラネーゼも多く、自分が知らない間に貴族に仕立て上げられたような感じなのではないでしょうか。
そんなミラノ人は、概して南部イタリア人からはイケ好かない印象があるようですが、それはそれでからかい甲斐あって、ミラノ風訛りやミラノ風な考え方を何かと真似して面白がっているイタリア人がいるものです。
世界に誇るミラノ生まれのファッションデザイナー アルマーニや、スカラ座などを何かと強調するミラネーゼなのです。
と、ここまで来てから、ミラノの名物であり伝統的料理がカツレツというのが面白い。だけれど、カツレツとは呼ばれてはいるけれど、ミラノのは豚のカツレツではなくて仔牛のカツレツと来るわけで、食物の値段に詳しい人はここでハハンとミラノの一癖を実感。
ミラノの名物料理のこの仔牛のカツレツを売り物にしているレストランでは、象の耳とあだ名がついた巨大なカツレツを食べさせてくれます。近年どちらかというと、節食気味なミラネーゼも一人では食べきれない大きさで本当に大きい。大きいだけでなくて、脂っこくて高カロリーな一品。パン粉は勿論チーズを加え、バターやオリーブオイルをたっぷり使います。
高カロリーならばこの巨大カツレツを遠慮したい?それならばミラノのもう1つの名物は、オッソブーコ。オッソとは骨。ブーコとは穴。仔牛の骨つきスネ肉を輪切りにした部分を使った料理。骨を輪切りにしてあるので穴が空いているように見えます。穴には脊髄があって、煮込んだ後のトロトロになった脊髄をすくって、舌鼓を打ちながら食べるのが本物のミラネーゼ。
どちらもボリューム満点のお料理で、最近はミラネーゼの家庭ではそんなに頻繁には登場しなくなって来たようです。
あなたは、象の耳?それとも穴あき骨?どっちを試したい?